序章 現代から大正へ… ページ2
【Aの目線】
私、夜叉野Aは
鬼滅の刃の煉獄杏寿郎さんが大好きな
ごく普通のヲタ女子である。
彼の死は主人公の炭治郎の成長に必要な
意義ある立派なものだった。
それがあったからこそ
彼を好きになったと言っても過言じゃない。
それでも時折、私は──…
煉獄さんを含めたみんなで
鬼舞辻無惨を倒す
大団円エンドを願ってしまう。
錆兎も真菰も生きてて欲しいし
カナエさんも生きて欲しいし
有一郎くんも生きてて欲しい…！！
他にも浅はかな願い事は尽きない。
……そんな私だからなのかな？
「A…これが気になるのかい？
これはお父さんの仕事道具だよ」
「危ないからAは触っちゃダメよ」
「あーい！」
朗らかに笑いかける今世での両親の言葉に
私は子供らしく元気に返事した。
そう、今世での両親に。
実は──……
私、夜叉野Aは
現代人としての前世の記憶を持ったまま
大正時代へ転生してしまったのだ。
明日で三歳の誕生日を迎える
まだまだちびっこ。
しかも、なかなかの美幼女で
我ながら将来が楽しみである。
「お父さん…痛くないの？」
「これは治療用の鍼灸針だから
痛点を外して打てば痛くないし
悪いところを治してくれるんだよ」
「かっこいい！」
今の両親は鍼灸医で、
現在は手元の針を自らの腕に刺している。
マンガにもよく針使うキャラとかいるし
将来的には私も教わって
立派な針使い(仮)になりたい！！
こっそり本を盗み見て
さっぱりわからんが勉強中なのである。
でも、それは叶わなかった。
＊ ＊ ＊
「……この程度の血にも耐えられぬのか？」
痛くて苦しくて、私は何も出来なかった。
うちに突然見知らぬ男が入ってきたと思えば
私たち家族３人は血まみれで倒れていた。
もうすでに両親には意識がないようだ。
おそらく事切れてる。
「おと…さんっ…おかあさ、ん……」
手を伸ばしても届かなくて
瞳からとめどなく涙が溢れてくる。
前世の記憶があるためか
この両親にあまり執着がないと思ってた。
けど、精神年齢が子供じゃないから
素直に甘えられなかっただけで
本当はこんなにも大好きだったと今更知る。
「ほぉ…娘は生き残りそうだな。
良いか？お前は私に逆らってはいけない」
その男の顔を真正面から見て
やっと気がついた。
ここはただの大正時代じゃない。
ここは──……
──────鬼滅の刃の世界だ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (
レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね！あの作品とても面白くて好きです！ (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀｀*)ﾎﾟｯ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです！！推しのために貢ぐ笑最高でした！これからも楽しみにしてます！！ (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω｀*)ﾃﾚｯ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2021年9月10日 17時
