【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！【煉獄杏寿郎】

十話　鬼はツラいよ… ページ12

事の起こりは今から
三日前に遡る──…


私は新たな町を訪れて
鬼の仕業らしき神隠しはないか…とか
洋装の集団(鬼殺隊)を見たことないかとか。

色々情報を聞きつつ鍼灸医を自称して
主に夜に出歩いて人々を治療していた。


さすがに無料だと怪しすぎるので
見習いという理由でお手頃価格で。

ちなみに、夜は顔を隠す必要もなく
少し自慢の素顔のままである。


そしたら──…

“美人鍼灸医が安価で治療してくれる”
…なーんて、嬉しいけど
変な噂が瞬く間に広まった。


噂を受けて、泊まってた宿屋に
昼夜問わず人(主に男性)が訪れて
目立つのはマズイからそろそろ別の土地へ
向かおうと旅立った矢先にこれだよ！？


「悪鬼滅殺…！覚悟しろ！」


現在、二人の鬼殺隊に刀を向けられて
私は完全に困り果てた。

何となく向こうの言いたいことはわかる。


町の人に別れの挨拶をして山に入ったら
数人の男の人が後をついてきて
「惚れた！嫁に来てくれ！」とか
私を引き留めたのである。

諦めてた怪我や病気が治ったりして
吊り橋効果で運命感じちゃう気持ちも
わからなくはない。

だけど、私には煉獄さんたちの
未来を守るという目標があるから！


だから丁重にお断りしたんだけど、
中にはしつこい人がいて
そのまま山一つ越えても何人かついてきて…


そしたら、これか！？

向こうが一方的についてきたのに
私が誑かして拐ったことになってるよ！

鬼ハラスメント…鬼ハラだよ！！


「ち、違います…！
　私は何もしてませんっ」


むしろ現代の法律ならあっちの男の人達が
警察のお世話になる案件だからね？！

どう説明すれば
わかってもらえるのだろうか…。


「誰が鬼の言うことなど信じるか！」


「美しい娘に化けて
　人を惑わし食らう化け物がっ！」


お褒めにあずかり光栄です！

でも、この容姿はありがたいことに
生まれ持ったものですけど！？

しかも、私は人を食べずに生きてますが！？


……───けど、そんなこと伝わらないか…。


鬼殺隊の人はその多くが
鬼に大切な人を奪われ
復讐のために入隊してるもんね。

彼らにとって私は…ただの化け物なんだ。


よしっ！逃げよう…！


──タッ…！


「まっ…待て！」


踵を返して全力で逃げる私に
鬼殺隊の人は一瞬面食らったようだけど
すぐに追いかけて来た。

この人達は下級の隊士みたいだし
鬼の体力の無尽蔵さを考えて
逃げに徹していればなんとかなるだろう。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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