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祖母から教えてもらった少しの呪術と体術はしっかり技になっていた、東京では試す機会も無いまま、ただ身体だけを鍛えていた日々だった。
「おぉ〜!君凄いねぇ!感動したよ〜!!」
パチパチと拍手が後ろから聞こえ、振り返ったそこには、白髪の長身の男がいた。
サングラス越しでもキラキラとした瞳が眩い。
「ちょうど今ここに着いたんだよね、一足遅かったかなって思ったんだけど、凄いよ君」
突如現れた、得体の知れなさすぎる男を前に私の身体はまた臨戦状態へ。
「どなたですか...」
そう問いかけた瞬間、叔父の方からうめき声が聞こえた。
急いで振り返ると、紫の大きな化け物、呪霊へと変化している。
小さな呪霊しか払ったことの無い私には初めて見るレベルの呪霊だ。
大きな鎌のような手が私に降りかかるその時────
一瞬だった。
目を開けばそこには呪霊だった肉塊が飛び散っていた。
「だいじょ〜ぶ?良かったね僕居て」
こんな血の中、五条悟と私は出会った。
窓から差し込む夕日がキラキラと、髪に反射して思わず見とれてしまった。
「悪いね〜! ご馳走までして貰っちゃって」
「あなた歩いて移動するなんて無謀ですよ... 港の方にレンタカーがあったと思いますけど...」
男はいただきまーす!と元気よく手を合わせ、せっせとご飯を口に運んでいく。
「君料理上手だねー!このきんぴらとか本当にうまいよ」
この人は何故か、ここの反対の方にある宿に歩いていこうとしていたのだと言う。
「違うんだよ!なぜか島に着いた瞬間人が家にひきこもっちゃってさー!失礼しちゃうよね、ホント」
滅多によそ者が来ない島だ、船は一日1便あればいい方だ。
そうだとしたらこの方は私と同じ船で来たのかもしれない
「どうやって来られたんですか?」
「あ〜、なんか漁師さんに送って貰っちゃってさー! 来る予定の港と違う港にとまっちゃったんだよね〜」
「...というか何しに来たんですか?」
そう聞くとピタリと動きを止めたが、また今まで通り飄々と
「そんなことより自己紹介しようよ〜!僕五条悟、さとる、でもなんでも気軽に呼んでね」
そう言うと男はサングラスを外した。
自己紹介となると流石に顔を見せないと礼儀としてダメだとおもったのだろうか。
そしてその目には眩くばかりの蒼─────
初めて見る美しさにつばを飲んでしまった。
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作者名:あきの | 作成日時:2023年9月17日 21時