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私の生まれ育った場所は、日本の南にある小さな島だ。
青々とした木々、見渡す限りの水平線、自給自足で暮らす島民たちが作る丁寧な畑
一見普通の島だが大きく違うことがひとつ
ここは『ひとつの犠牲』のために成り立っている島なのだ。
人は生きていくにあたり思いどおりに行くことの方がきっと少ないだろう。
その鬱憤や恨み辛みを『生贄』にぶつけ、全て『生贄』のせいにする事を主とした、宗教が蔓延る島である。
島民からどんな仕打ちを受けても文句も言えない生贄は、死ぬまで自由のない地獄だ
そんな島なので、呪霊がおかしいほど湧いていても何も変ではないのに、特別目立つほどでは無かった。
それは何故か
島民は自ら呪術を学び、呪霊を払うことが出来ていたのである。
所謂呪術師だらけの島だ。
そのおかげで外からの介入はずっと無い。
故に私は祖母がこの島から私を逃がした16歳の夏まで、ずっと島民に虐げられていた。
そう、38代目のこの島の生贄は私である。
そして私が逃げた2年後の昨日、祖母が死んだ。
今島がどんな事になっているのかは私には何も分からないまま、祖母を弔いにこの地を踏むこととなった。
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作者名:あきの | 作成日時:2023年9月17日 21時