二百二十五話 本音をぶつけて ページ31
「共喰い鬼と言われてるけど
鬼も人も食べたことがありません。
だから鬼殺隊とも仲良しです」
炭ちゃんが再び墮姫様に刀を構える中、
私はこれまで溜めたものを
ゆっくり少しずつ吐き出した。
嫌われちゃうのはわかってるけど
知ってほしいという気持ちもある。
「我が君のために太陽克服しますとか
ぜーんぜんやる気ありません！
鬼舞辻無惨なんて大嫌いです…！！」
これは、墮姫様というより
彼女を通してあの天パに届けと思って言った。
どのみちこれで私も奴の抹殺対象だ。
「誰に向かって口利いてんだ…！？」
ビキッ…と青筋を立てて墮姫様が不機嫌になる。
けど、もう命がけの面接は終わったから
言いたいことを言わせてもらおう。
「申し訳ありませんが好みの男性について
墮姫様とは絶対に意見が合わないです。
あんなひねくれた自尊心の塊なんて嫌い！
我が最愛の人…杏寿郎さんしか勝たん！！」
もっと無惨の悪口をいっぱい言いたいけど
つい杏寿郎さん自慢に傾いてしまう。
炭ちゃんも「え、今それ言う？」って顔だ。
シリアスぶち壊して主人公の成長を妨げたら
予期せぬ大きなゆがみができて
結末が変わってしまうかもしれないぞ。
真剣な方に軌道修正だ…！
「私、夜叉野Aは……
今この時をもって貴女と敵対します」
ふぅ…と、深呼吸してから
強い意志をもってそう言い切った。
───ずる…っ
直後に風が吹いた気がして
己の身に何が起きたかわからないまま
私はその場に崩れる。
目をやると、胴体が泣き別れになっていた。
……これはさすがにトラウマになりそう。
「だ…き……さ…っ」
それが墮姫様の帯の攻撃と気付くと
痛みを実感して声が出なくなる。
幼稚な言い方だけど本当に死ぬほど痛い。
「……遺言はもう終わり？
飼い犬に手を咬まれるってこういう気分か。
思ったよりも癪に障るわね」
背を向けてる彼女が今どんな表情かわからない。
でも、まるでホコリでも払うように
迷いなく真っ二つにされたのは悲しかった。
「よくもA姉ちゃんを…！」
「っ…るさいのよ、不細工！！」
───ドガァ…ッ
殺すためでなく癇癪を起こした子供のように
目にも止まらぬ早さの帯が
炭ちゃんを遥か遠くへ弾き飛ばす。
辺じゃなくて面だから大丈夫だと思うけど
さすがに無傷じゃ済まないだろう。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
煉獄さんコレクション
煉獄先生 歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり！黒板じゃなくて先生だけを見つめちゃうと怒られるよ
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亜紀野ユキ(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます！続編もどうぞよろしく(^-^)/ (6月2日 0時) (
レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 久しぶりに作品見に来たらたくさん更新されててめっちゃ嬉しかったです！堕姫ちゃんとの関係のところで涙出ました...知らぬ知らぬうちに関係が深まっていって...（泣）来世のお話もすっごく良かったです。みんな幸せになって欲しいな...この作品をずっと応援してます！ (6月1日 19時) (レス) @page40 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - みっささん» 嬉しいです！近日中にまた更新します_〆(ﾟ▽ﾟ*) (5月8日 18時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
みっさ - 初コメ失礼します！面白くて優しくて可愛いヒロインちゃんって神では!???何時も楽しく見させていただいてます！ゆっくりでいいので更新がんばってください！ (5月8日 16時) (レス) @page47 id: 0ca1847e23 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - あさん» 頑張ります(〃ω〃)ﾎﾟｯ (5月8日 1時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2023年2月1日 16時
