【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！伍【煉獄杏寿郎】

二百十一話　座敷に上がって ページ17

「蕨姫花魁が怪我させて
　座敷に上がれない子がいてさ」


「では、治療しますね！」


怪我を防げなかったのは申し訳ないが
誤解を解くのはあとにして仕事しよう。


「いや…今日はこのまま休ませておやりよ。
　アンタ可愛い顔してんだし
　代わりに座敷についておくれよ」


「ぅえ？！む、無理ですっ！！
　私には心に決めた人がいますし
　そもそも芸事なんてできません！」


実践的なことを学びたいけど
ただし杏寿郎さんに限るってことで
断じてこういうのではない。


「平気だって。馴染みでもないし
　ただ愛想良く酌すりゃあ」


「え、あ…ちょーっ！」


反論の余地も与えられず
ズルズル引きずられていった。



＊ ＊ ＊



「わあっAさん綺麗！」


「花魁みたいー」


「あ、ありがと…見かけ倒しだよ？」


禿ちゃんたちに仕度を整えられて
あれよあれよという間に
座敷に上がることになってしまった。

七五三っぽくなると思ったのに
ちゃんとらしく見える凄い技術だ。


ええいっこうなりゃ
身の危険を感じたら鍼灸針でドスッ…としよう。

安心しろ峰打ちだ…って、針の峰ってどこ？


「綺麗にしてくれてありがとう。
　カステラあげるから仲良く分けてね」


「「わーいっ！」」


こんな愛らしい子たちが
ずっと蕨姫様に萎縮してるのは可哀想だ。

せめて甘いもので笑顔を増やそう。


「……まるで鯉夏みたいだね」


「え…？」


ふいに背後から呼びかけられて
振り向くと京極屋の女将さんがいた。

ちゃんと会話したことはまだない。


「えっと…」


「あのね、鯉夏花魁ってのは
　ときと屋で一番すごい花魁なの！」


「Aさんみたいに優しい人ー」


「噂は知ってるけど…あのたおやかな美人と
　私を一緒にしちゃバチ当たるぞ」


嬉しいことを言う禿ちゃんの頬を
照れ隠しにむにむにすると
きゃーっと三人が無邪気に笑う。

この子らも鯉夏さんみたいな人に付けば
もっと笑顔でいられるよね。


「……うちの売れっ子も
　アンタみたいだったらよかったわ」


「あ、女将さ…」


思い詰めた顔でため息を溢して
彼女はそのまま去った。

その苦悩…解決するから早まらないで！



＊ ＊ ＊



そして、職場体験は───…


「終わったー！！」


詳細は省略するが、
良い意味で想定が外れて年配の方に
孫の如く甘やかされ無事終えた。

不調の見えた膝を治したらすごい感謝されて
お菓子やお小遣いまでもらったぞ。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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煉獄先生　歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり！黒板じゃなくて先生だけを見つめちゃうと怒られるよ

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