【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！伍【煉獄杏寿郎】

二百七話　京極屋での暮らし ページ13

その翌日、


「夜叉野Aと申します。
　蕨姫様とは旧知の仲で鍼灸医をしています。
　どうぞよろしくお願いします」


京極屋の女将さんや旦那さん、
そして遊女の皆さんに
短い間だけどお世話になる挨拶をした。

皆さんの前で堕姫様と呼ばないように
普段から蕨姫様と呼ぼう。


「鍼灸医って切見世の方に現れたっていう…
　アンタがそうなのかい？」


「はい。旅の途中で旧知の蕨姫様と会って
　(強制的に)こちらへ招かれまして」


私の噂をすでに知ってるようだけど
興味はあるが誰も深く聞こうとしなかった。

この廓で蕨姫様に意見できる人はいない。

胸中を覗いてみるなら
“蕨姫花魁の関係者に関わりたくない
問題は起こすな”…ってとこだ。


「……蕨姫様を優先致しますが
　何かあれば遠慮せずお申し付けください」


腫れ物に触れるような扱いは嫌なので
可能な限り人当たりは良くしよう。

そして、余裕があればどなたかに
殿方を虜にする秘技を授けてもらいたい…！



＊ ＊ ＊



「痛いの痛いのとんでけー」


トントン…と小さな手に鍼を打ち
わざとらしい身振り手振りをして呟いた。

すると、治療を受けた禿の子の涙が止まる。


「あれ…全然痛くない」


「すごーい！」


「えーなんで？」


先程うっかり手を戸に挟んじゃったけど
その痛みが消えてみんなが不思議がる。


「実はね…あっちで誰かが肩代わりして
　耐え難い痛みに苦しんでるんだよ」


「「ええっ！？」」


「ごめん。嘘」


蕨姫様付きの禿ちゃんたちと戯れていると
めちゃくちゃ癒されて
軟禁状態なのをつい忘れそうになる。


この子ら…将来絶対美人になるよね？

現在一番の花魁に付いてるし
きっとこの中の誰かが未来のNo.1だろう。


「一生大事にするからよければこの紙に
　サイン…いや、名前書いてくれない？」


のちの花魁のサインなんて
遠くない未来にプレミア間違いなしだ…！

もちろん売却しないで家宝にしよう。


「Aさんって面白い」


「優しくて好きー」


「痛いの治してくれるから大好き！」


一筆もらった可愛らしい文字と
無邪気な笑顔が次々と胸に深く刺さる。


「ほ…褒めたって何も出ないんだからっ！
　さあ、金平糖でもお食べ」


可愛い子には旅をさせよ…なんて誰が言う？

────可愛い子にはひたすら貢げ…！！


そんなこんなで数日経って
囚われの共喰い鬼は思いのほか図太い神経で
ペット生活に馴染んでます。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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煉獄先生　歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり！黒板じゃなくて先生だけを見つめちゃうと怒られるよ

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