百三話 預言と苦言 ページ7
その後、私は快く
桑島さんに家に招かれた。
そこには獪岳がいて
帰り支度をしてるとこだった。
「なるほど…やっぱり足を中心に
身体が痛んでますね」
「まあ、わしも若いときと比べたら
随分衰えたからのう…」
「現役時代のお話…鱗滝さんのも含めて
あとでじっくり聞かせてください!」
トントン…トントン…
鍼を打ちながら
期待に目を輝かせてそう言った。
「……変わった子じゃのう」
たしかにお年寄りの話は
無駄に長いと相場が決まってるもんね。
しかーし!!
煉獄さん推しであり、
鬼滅の刃の皆さまが大好きな私にとって
自慢話や武勇伝もご褒美でしかない。
「先生。俺はもう行きます」
…────ただし獪岳、てめーはダメだ。
手元のお茶を飲み干して立ち上がり
獪岳が家から出ようとする。
奴はずっと何か文句を言うわけじゃないけど
得体の知れぬものを見る目を私に向けていた。
「あ、獪が…」
「話しかけんなカス」
声をかけようとした善ちゃんを
冷たくあしらいよったぞ…この勾玉ヤロー。
カスって言う方がカスでクズでボケじゃ!
「これ獪岳。お前はまた…」
「…────獪岳さん。
共喰い鬼より一つ預言します」
叱ろうとする桑島さんの言葉を
恐れながら治療の手を止めて遮らせてもらう。
日の当たらない屋内から呼びかけると
すでに外に出て光を浴びてる獪岳が
訝しげに眉間にしわを寄せてこちらを見た。
───きっと、ここが分かれ道なんだろう。
「貴方は努力家で現状に満足せず
己を高めてゆける素晴らしい才の持ち主です。
その刀に救われる命も少なくないでしょう」
そう言うと、そんなこと知ってると言いたげに
奴が鼻で笑った気がした。
しかし、これはただの前振りである。
「ですが、貴方が過去にしでかしたことを
悔い改めることが無ければ
人としての良識を心底疑います」
「っ…」
私に過去を知られてることに気付き
その顔が僅かに歪んだ。
もっと歪めてやるから覚悟せい!
「自信家なのも全てが悪いとは言いませんが
その傲慢さを制御できなければ
いずれ貴方は報いを受けて必ず破滅します」
そう言い切ると、私は形式的に頭を下げた。
「…以上。共喰い鬼からの預言でした。
ご静聴ありがとうございます」
色々と現実を飲み込めてないようで
獪岳は何か言いたげにしかめっ面となる。
元々不機嫌そうな表情がより悪化した。
**********
続く
煉獄さんコレクション
煉獄先生 歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり!黒板じゃなくて先生だけを見つめてしまうと怒られちゃうよ?
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亜紀野ユキ(プロフ) - 美奈さん» 共感アザースっ!! (2022年9月6日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - *舞夜*さん» どうもです(´ω`*)近々更新します!! (2022年9月6日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
美奈(プロフ) - 続編…!!楽しみです!夢主ちゃんの言動がいちいちそれなすぎて(?)ニヤニヤが止まらない…(*°ω°*)これからもお待ちしてます!応援してます! (2022年9月5日 23時) (レス) @page50 id: 654a1bab90 (このIDを非表示/違反報告)
*舞夜*(プロフ) - もう再会編、たまらないです!! 気絶するのがすごく親近感湧きます!!! これからも頑張ってくださいo(`・ω・´)o 続編待ってます!!!! (2022年9月5日 15時) (レス) @page50 id: d349d12c8d (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綺羅さん» ありがとうございます!推しの多量摂取は危険ですから(´∀`)キャッ (2022年8月21日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2022年3月3日 9時