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百四十三話 結ばれた縁 ページ47

(……地味なお節介なんか
 焼くもんじゃねーよな)


その意を汲んで天元は口を閉ざした。

しかし、これからもこの二人は
地味に遠回りしそうだと内心思う。


「……Aにも杏寿郎にも
 悪いことをしてしまったね」


輝哉もそれぞれの気持ちを推し測り
良かれと思って引き合わせようとしたが
気遣いは見事に空回りした。


────バシィ…!


「いえ、お館様。俺は諦めません!
 少女に好いてもらえるよう
 今までと変わらずこれからも努力します!!」


思いきり己の頬を叩いて
弱気な自分を吹き飛ばすように力強く宣言する。


(もしかして……これは恋なの…!?)


そんな杏寿郎の姿を見て
はっと蜜璃の女の勘が冴え渡った。

元師範を全力で応援しようと胸に誓う。


(甘露寺が楽しそうでなによりだ……)


ぐっと拳を握って気合いを入れる姿を
さりげなく横目で見て
蛇柱の伊黒小芭内が密かに癒される。


彼は共喰い鬼について
先代炎柱の槇寿郎から少し聞かされていた。

小芭内を傷付けぬよう詳細は伏せられたが、
その少女の預言によって助けられたと。


“愛犬のきなこにちなんで
 黒い子を黒蜜、白い子を白玉、
 赤みがかった黒い子をあんこと名付けました”

“鬼の立場では笑えませんが
 いっそ食べちゃいたいって…
 あ、本当に食べたりしませんよ!”


(……甘露寺の身内にいそうだな)


元より感謝の念は持ち合わせていた。

さらに今日の一件で
淡い恋心を抱く蜜璃と少し似た気質と知り
Aへの好感は上がる。


そして、


(あれが……僕の家と鬼殺隊の縁を結んだ子か)


これまでのやりとりをずっと静観していた
霞柱の時透無一郎も実は内心驚いた。


幼い頃より鬼殺隊に興味を持ち
母が体調を崩したときには助けられたため
彼は自然と剣士を目指すようになる。

入隊にあたって兄の有一郎と大喧嘩して
現在も関係修復には至ってない。

ゆえに、生来のおっとりした気質から
奇しくも原作通りに
周りに対して刺々しい性格となった。


「では、Aは寝かせてあげて
 柱合会議を始めようか」


本日何度目かの仕切り直しである。


「というか、不死川さんも煉獄さんも
 お屋敷に土足で踏み入れないでください」


「結果として良かったかもしれないけど
 不死川くんは女の子に乱暴なことしたのも
 反省しなくちゃ駄目よ」


こうして───…

長く焦らされ続けた柱合会議は
胡蝶姉妹のお説教から始まった。



**********


続く

百四十四話 目覚めると恋柱→←百四十二話 思い違い


煉獄さんコレクション

煉獄先生 歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり!黒板じゃなくて先生だけを見つめてしまうと怒られちゃうよ?


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亜紀野ユキ(プロフ) - 美奈さん» 共感アザースっ!! (2022年9月6日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - *舞夜*さん» どうもです(´ω`*)近々更新します!! (2022年9月6日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
美奈(プロフ) - 続編…!!楽しみです!夢主ちゃんの言動がいちいちそれなすぎて(?)ニヤニヤが止まらない…(*°ω°*)これからもお待ちしてます!応援してます! (2022年9月5日 23時) (レス) @page50 id: 654a1bab90 (このIDを非表示/違反報告)
*舞夜*(プロフ) - もう再会編、たまらないです!! 気絶するのがすごく親近感湧きます!!! これからも頑張ってくださいo(`・ω・´)o 続編待ってます!!!! (2022年9月5日 15時) (レス) @page50 id: d349d12c8d (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綺羅さん» ありがとうございます!推しの多量摂取は危険ですから(´∀`)キャッ (2022年8月21日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2022年3月3日 9時

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