【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！惨【煉獄杏寿郎】

百三十二話　遠い親戚ポジ求む ページ36

「僕たち家族の
　静かな暮らしを邪魔するな」


淡々とした口調に振り返ると
蜘蛛の巣柄の白い着物に身を包む
物静かな少年がたたずんでいた。

それは、この戦いにおいて
ラスボスである下弦の伍たる累である。


多少は虫除けの効果があって
蜘蛛は寄ってこなかったんだけどさ
さすがに鬼はダメだった…。


「これはこれは……下弦の伍様。
　お初にお目にかかります」


恭しく頭を下げてから顔を上げ
ぎこちなく微笑んでみせる。

今一度、被るのよガラスの仮面…！！


「ただのはぐれ鬼ではないようだけど
　何が目的でここへ来た？」


怪訝な表情で累が私を見据える。

糸で刻まれる想像が鮮明に浮かんで
背中に冷や汗が伝うし動悸が激しい。


「……私は共喰い鬼でございます。
　我が君より裁量権をいただきまして
　この地を訪れたのは偶然です」


「あのお方から…？」


それにぴくっと反応があった。

無惨にとって私は太陽克服のための
そこそこ期待してる存在だから
好き勝手していい言質はもらってる。

それを口実になんとか誤魔化そう。


「ええ、鬼狩りどもの懐に入るため
　みなさまとは違った側面で行動してまして
　私の行いは見逃していただければ…と」


「……なるほど」


よっしゃっ上手くいきそう！！

怖い社長の勅命を引き合いに出せば
部下はもう何も言えなくなるもんね？

ブラック企業でよかったー…ってよくねーわ！


「人間に向けて涙を流してたようだけど…」


「私…役に入り込むとなかなか抜けませんの。
　下弦の伍様にお褒めいただくとは恐縮です」


うふふ…と含みある笑みをこぼした。

六歳のころの圧迫面接に比べて
今の方が上手く悪女できてね？


しかし、


「お前なら……良い家族になれそうだ」


「え……」


直後に言われた累の言葉に
思わず素に戻って固まってしまった。

つまりは家族勧誘ですか……？


顔変えるのはイヤだし
ドメスティックバイオレンスのある家庭は
絶対にお断りだ……

せめて一年に一回会うか会わないかくらいの
遠い親戚ポジションでお願いします！


「……お戯れを。私には分不相応なお役目です」


なので、おしとやかにお断りした。
内心焦りまくってるけどね。


「何の役が良いだろう……」


ちょ…話聞いてる！？

アカン……このままじゃミスキャストで
ドメスティックバイオレンス待ったなし！

母と姉はすでに埋まってるから
妹か祖母に抜擢されるんとちゃう？！



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

百三十三話　私が演じるなら…→←百三十一話　一人でも多く…

煉獄さんコレクション

煉獄先生　歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり！黒板じゃなくて先生だけを見つめてしまうと怒られちゃうよ？

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