【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！惨【煉獄杏寿郎】

百三十一話　一人でも多く… ページ35

那田蜘蛛山のフラグ折りは
ひたすら鬼殺隊員の
回収と治療に尽きると思う。


主人公たる炭ちゃんや
仲良しの善ちゃん、伊之ちゃん…

そして、名脇役の村田さんの
身の安全は原作通りなら大丈夫だろう。


けど、その裏で多くの隊員が亡くなったから
柱のしのぶさんと義勇さんが動員されたのだ。


つまり、このままだとたくさんの人が死ぬ。


だから炭ちゃんたちが
ひささんの家で傷を癒してるうちから
犠牲を減らすよう行動しよう…！


「大丈夫……鬼だから簡単には死なない…
　軽く刻まれても炙られても治る…」


ずももーんと、おぞましい雰囲気漂う
那田蜘蛛山の入り口で己にそう言い聞かせて
一歩、また一歩と歩みを進める。

私だって本当は善ちゃんみたいに
行きたくないって駄々こねたいわい！！


ここで対峙するのは
鬼の中でも根強い人気キャラクターである
蜘蛛系鬼畜ショタの累と…

その家族とは名ばかりの
配下の父、母、兄、姉の役割の鬼たち。


読者目線では累と実の両親の絆に涙したし、
母役の鬼に同情して成仏を祈ったものだ。

やはり彼らは心優しい炭ちゃんと会って
安らかな最期を迎えて欲しい。


「効果あるのかな……」


───バシャーッ

虫除けスプレーや蚊取り線香の原材料の
除虫菊がたくさん自生してるところを見つけて
以前、自作の虫除け剤を作ってみた。

ただ煮詰めただけなんだけどね。


それを頭からかぶって
蜘蛛対策バッチリのフル装備で行くぜ！



＊ ＊ ＊



「はい……処置は終わりました。
　これから蝶屋敷へ送りますので
　上へ現状の報告をお願いします」


「あ…ありがとう…っ」


蜘蛛の糸で操られてる隊員さんたちを
一度アイテムボックスに回収して
糸と切り離してから治療して蝶屋敷へ送る。

それを何度か繰り返して現在に至る。


大きな繭玉も何個か回収して
中に閉じ込められてる人だけを取り出して
治療して間に合った人もいる。

しかし、半数は手遅れだった。


この世界は残酷すぎて挫けそうになる……


「一人でも多く助かりますように…」


また一人の隊員を蝶屋敷へ送って
誰に対してでもなく呟いた。

たくさんの死を目の当たりにする
戦いの最前線はツラすぎる。


そこへ───…


「人間のために涙するなんて
　変わった鬼もいるものだね」


背後からかけられた落ち着いた声に
肩が跳ね上がって身が強張る。

こそこそ目立たぬよう動いたけど
さすがに見つかってしまった。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

百三十二話　遠い親戚ポジ求む→←百三十話　お前にはやらん！！

煉獄さんコレクション

煉獄先生　歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり！黒板じゃなくて先生だけを見つめてしまうと怒られちゃうよ？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す