【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！惨【煉獄杏寿郎】

百二十八話　藤の花の家紋へ ページ32

やがて、

伊之ちゃんもお手伝いして
亡くなった方たちの埋葬を終えて
山を下ることになったけど


「正一君は強いんだ！！
　正一君に俺を守ってもらうんだ」


…と、善ちゃんが駄々こねるもので
炭ちゃんに容赦ない手刀食らって気絶した。

自分のポテンシャルわかってないのが
善ちゃんはほんとに勿体ない。


途中で三兄弟と別れを告げて
炭ちゃんの鎹鴉に案内されながら私も便乗し
藤の花の家紋の家に向かう。


その道中、


「そうか、伊之助も山育ちなんだな」


「お前と一緒にすんなよ。
　俺には親も兄弟もいねぇぜ」


伊之ちゃんと炭ちゃんが
生い立ちなどについて話して密かに和む。


「他の生き物との力比べだけが
　俺の唯一の楽しみだ！！」


「そうか…そうか…」


それにほろり涙する炭ちゃんの横を歩き
もっと号泣する私がお饅頭を差し出す。


「もう…お菓子あげちゃう」


「もっと寄越せ、どんぐり鬼！！」


遠慮なく頬いっぱいに詰め込む姿が
ハムスターのようで可愛らしい。

というか、その呼び名固定されんの絶対イヤ。


「たーんとお食べ、伊之ちゃん！
　Aお姉ちゃんの奢りだよ」


名前を強調して追加のお菓子を出す。
正しく覚えてもらえるとは思わないけど。


「褒めてやる、子分！」


「ありがとう！って…ありがとうちゃうわ！！」


伊之ちゃんからお姉ちゃん呼びは
さすがに期待してないけどさ。

討伐対象から子分認定されたのはよかったか。


「俺は必ず隙を見てお前に勝つぞ！！」


「俺は竈門炭治郎だ！！」


伊之ちゃんの宣言に炭ちゃんが答える。


「かまぼこ権八郎！！お前に勝つ！！」


「誰なんだそれは！！」


「お前だ！！」


「違う人だ！！」


あ〜〜〜……

十五歳組が可愛すぎてワケわからんくて
もはや世界救われるんですけど？


「そろそろ起きようよ、ツッコミくん」


「ふごっ」


三人でわちゃわちゃしてるのを見たくて
炭ちゃんの手刀で気絶してる
善ちゃんの頬を何度もつついた。



＊ ＊ ＊



やがて、藤の花の家紋の家に着いた。


「はい…」


「あっ夜分に申し訳ありません」


ギィィ…と門を開けてお婆ちゃんが現れ
炭ちゃんが礼儀正しく挨拶する。


「お化けっ…お化けだ」


「こらっ！！」


ビビる善ちゃんを炭ちゃんが叱る。
世界一の長男から“こら”って一度は言われたい。

まあ、私は年上だから
我慢するけど……って、善ちゃんもじゃん！

ずるいっ！！



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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煉獄先生　歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり！黒板じゃなくて先生だけを見つめてしまうと怒られちゃうよ？

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