百二十三話 机の前に座って ページ27
移動した部屋は机があり
こじんまりしてて落ち着く。
【Aぽすとに手紙が届いています】
ちょうどいいタイミングで
珠世さんたちから手紙が届いたので
手近な机の前に座って目を通した。
“前々からAさんの仰っていた
炭治郎さんと浅草でお会いしました。
話に聞いた通り心優しい少年でしたね”
そうでしょ〜珠世さん!
うんうん…と何度も頷いて
私まで勝手に鼻が高いよ、炭ちゃん。
“炭治郎もあいつの妹も良い奴だったが
妹の方から何故か年下扱いされた”
すぐに愈史郎さんからも手紙が届く。
そういや原作だとねこちゃんは
彼をろくちゃんと重ねてた…。
きっと、珠世さんにべったりなとこが
葵枝さんにべったりな
末っ子のろくちゃんと一致したんだろう。
年上らしい余裕さや
落ち着きがないからだよ、愈史郎さん!
───グサ…ッ
うぐ…言葉のブーメランが自分に返ってきた…!
“大丈夫ですよ愈史郎さん。
私もねこちゃんから年下扱いされてます。
それだけ若いってことですよ”
全然年上の貫禄の出てこない
自分へのフォローも込めて返事を書く。
弟妹のいる人たちには
どうやったってお兄ちゃん力お姉ちゃん力は
かないっこないもんなー…。
「あ、小説みっけ」
おもむろに机の引き出しを開けると
原稿用紙の束を発見した。
そういえばここって迷子になること必至なほど
ほんとに広いお屋敷だけど
響凱が人だった頃からの家なんだよね。
人の家で好き勝手するのは良くないけど
ヲタク心をくすぐられて
つい手にとって目を通してしまう。
というか、土足でずかずか
踏み込んじゃったのもちょっと申し訳ない。
「おっ……こういう文章書くんだ」
物語に引き込まれると
だんだん周りが見えなくなってく。
感想を分かち合う人がいないから
ぽつりぽつりと独り言をつぶやきながら
時間も忘れて原稿用紙をめくり続けた。
* * *
【目線なし】
やがて、Aが小説を読み始めてから
かなりの時が経過した。
彼女はまるで気付いてないが
すでに稀血である清がこの屋敷へと攫われて
響凱と関係のない鬼まで集まりつつある。
そして、炭治郎と道端で彼と合流した善逸も。
「小生の家に……虫ケラどもめ!」
文学の世界を旅するAは
己のいる部屋に一歩また一歩と近付く
家主の存在にまだ気付いてない。
やがて───…
部屋の前を通りかかり
響凱はその異質な存在に気付いた。
**********
続く
煉獄さんコレクション
煉獄先生 歴史と教育への熱心な姿勢にうっとり!黒板じゃなくて先生だけを見つめてしまうと怒られちゃうよ?
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亜紀野ユキ(プロフ) - 美奈さん» 共感アザースっ!! (2022年9月6日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - *舞夜*さん» どうもです(´ω`*)近々更新します!! (2022年9月6日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
美奈(プロフ) - 続編…!!楽しみです!夢主ちゃんの言動がいちいちそれなすぎて(?)ニヤニヤが止まらない…(*°ω°*)これからもお待ちしてます!応援してます! (2022年9月5日 23時) (レス) @page50 id: 654a1bab90 (このIDを非表示/違反報告)
*舞夜*(プロフ) - もう再会編、たまらないです!! 気絶するのがすごく親近感湧きます!!! これからも頑張ってくださいo(`・ω・´)o 続編待ってます!!!! (2022年9月5日 15時) (レス) @page50 id: d349d12c8d (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 綺羅さん» ありがとうございます!推しの多量摂取は危険ですから(´∀`)キャッ (2022年8月21日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2022年3月3日 9時