【鬼滅の刃】人生ハードモードでも貴方の生存ルート追い求めます！弐【煉獄杏寿郎】

五十六話　厄除の面… ページ9

「か、可愛いお面だね！」


なんとか彼女を引き留めようと
とっさに視界に入ったお面の話題を振る。


「ありがとう。これね、大好きな鱗滝さんが
　お守りに彫ってくれたんだよ」


嬉しそうに顔を綻ばせる真菰…さんに
私は胸が苦しくなった。


原作通りならば──…

これから彼女は最終選別に行って
手鬼からその厄除の面を目印に
鱗滝さんへの復讐として
その弟子を喰らい続けたことを聞かされて
動揺して殺されてしまう……


間に合ってよかった…！

もし、温泉宿にもう一泊してたら
彼女を救えなかった……ナイス判断、私！！


「私は夜叉野Aと申します！
　真菰さん…どうか話を聞いてください！」


「どうして……私の名前を…」


「共喰い鬼という噂を
　聞いたことはありませんか！？」


「そういえば……鱗滝さんに教えてもらった…
　じゃあ、きみは……鬼、なの？」


そう言った真菰さんは
動揺で瞳を大きく揺らしていた。

彼女の生い立ちはよく知らないけど
もしかしたら鬼に大切な人を
殺された側の人間なのかもしれない。

もしそうだったら
私に触れられてるだけで不快かも……


「そうです……鬼が突然ごめんなさい。
　でも……真菰さんに
　どうしてもお伝えしたいことがあって…」


「どうしたの？」


すると、彼女は不安げな表情の私と
視線を合わせるようにしゃがんでくれた。

しかも、袖を握ったままの手を
振りほどくこともなく
気遣いというか…優しさが感じられる。


もう……現在進行形で好きになってく〜！

めちゃくちゃ可愛い萌え声だし
水のように透き通った雰囲気の美少女だし
将来は超絶美女になるやん！？

というか、そのお姿……絶対見たい！！


「選別会場には……
　鱗滝さんに恨みを持った異形の鬼がいて
　彼の弟子を狙って襲ってきます」


そう切り出して
私は手鬼の特徴を事細かに説明した。


厄除の面については……

出来る限り言葉を慎重に選んで伝え
やんわりと選別会場には
持って行かないでほしいと訴えかける。


「…──ということで、
　手鬼を見かけたら絶対に逃げてください！
　選別とは鬼を殲滅させるものではなく
　生き残ることが試練なんです…！！」


「でも……その鬼をそのままにしたら
　また新たな犠牲が生まれちゃうよ」


きっと真菰さんは鱗滝さんの弟子として
自分がけじめをつけなくては…と、
使命感が芽生えているのだろう。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


続く

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ラッキー人物

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