七十七話 未来を信じます…! ページ30
「見えた……っ
やっと見えました…!」
そう言って、お館様の同意を待たずに
弱々しい白い光に鍼を打った。
どんな効果が出るかわからないけど
今を逃したらこの頼りない光が
あっという間に消えてしまいそうで。
すると──…
「これは……」
お館様の落ち着いた表情が少し揺らぐ。
私は祈りを込めてじっと彼の言葉を待った。
願わくば……全回復!!
「……少しだけど、痛みが和らいだ気がするよ」
「少し…だけですか?」
その言葉に落胆してしまう。
さっきまでの流れは
少女マンガのヒロインが新たな力に目覚めて
無双する展開でしょうが!?
「言ったろう?これは呪いなのだと。
それでもAの優しさが
小さな奇跡を起こしてくれたんだね」
無惨を倒さない限り呪いは解けないけど
血鬼術で僅かに進行を遅らせられる…とか?
もし……そうなら──…
「……これからは定期的に
お邪魔してもいいですか?」
お館様の病の進行を少しでも遅らせ続けよう。
「いつでもおいで」
黒いモヤが少し晴れてお館様の笑顔が見えた。
こうして──…
今日、共喰い鬼が正式に鬼殺隊に容認され
協力関係を築く足掛かりが出来たのだ。
* * *
「この少女が共喰い鬼ですか?」
お館様との対面を終え、
槇寿郎おじさまに抱っこで連れられて
私は悲鳴嶼さんと顔を合わせた。
対面中も後ろに控えてはいたけど
こうして言葉を交わすのは初めてになる。
というか──…
おじさまが手放しに甘やかすものだから
すっかり緊張が解けて懐いちゃった。
なんとも贅沢な抱っこの時間を
隊服にしがみついて頬擦りして
図々しく楽しむ余裕まで出てきたよ!
「ああ、先程の謁見でもわかる通り
鬼とは言えぬほど優しい良い子だろう」
「初めまして…夜叉野Aです」
こうして向き合うと
まだ十代というのに貫禄が凄くて
やっぱり悲鳴嶼さんの迫力はケタ違い…!
鬼の立場で会うのはめちゃくちゃ怖い。
槇寿郎おじさまに抱っこされてなかったら
うっかり逃げちゃうと思う。
「嗚呼……実際に会うまでは
私も共喰い鬼の存在は半信半疑でした。
少なくとも気を許して良いものではないと」
「そう…ですよね」
面と向かって言われると傷付くけど、
そもそも悲鳴嶼さんは鬼はもちろん嫌いだし
子供に対しても思うとこがあるもんね…
鬼で子供の私って……一番ムリじゃん。
**********
続く
ラッキー人物
煉獄杏寿郎 一目見ればそれだけで運気もテンションも体温も動悸も血圧も爆上がり!!死なない程度に盛り上がろう!
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亜紀野ユキ(プロフ) - 広海さん» どうもです!! (2022年2月23日 9時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
広海 - とても面白いです!続きが気になります。頑張ってください! (2022年2月21日 14時) (レス) @page44 id: 07ce481f94 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 茜さん» どうも!!!頑張ります(´ω`*) (2022年2月14日 20時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 楽しみに読んでいます!実に最高ですね(笑)体調崩さないよう応援してます✨ (2022年2月14日 19時) (レス) id: 1b144ebba8 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - みこちさん» 嬉しいデス!!忍たま良いですね(*´∇`*)私は水練の舳丸さん推しです (2022年2月12日 9時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年11月26日 21時