六十六話 思いと裏腹に… ページ19
あれから七日経過した。
真菰さんのときもそれはもう
不安で仕方なかったけど…
錆兎さんの場合は
回避してくれる言質をとれなかったし
あの男気を無下にできず
結局は強行手段もとれなかった。
とりあえず、厄除の面は二人分預かったけど。
今はまだ、それが
正しい判断だったのかわからない。
気を紛らわそうと珠世さん達に手紙を送ると
“よく頑張りましたね”…と
“なるようにしかならん”…と、
それぞれ激励の返事がきた。
……そうですね。あとは祈るだけだ。
すると、そこへ──…
「…──おまえさんが真菰が恩人と言っていた
噂の共喰い鬼の娘さんだな」
その声に振り向くと、
私の背後には鱗滝さんが立っていた。
突然の彼の登場に
緊張と不安で泣いてた私の涙が止まる。
「うろこ…だき、さん……」
鱗滝さんのことはもちろん好きだけど
元柱の前に姿を現すのは不安で
実際に彼に会うのは初めてである。
「わしのことも知っているのか……。
不躾にすまないが、力を貸してくれ」
こんな八歳児に頭を下げるなんて
恐縮なのでやめてください!
「ど、どうしたんですか?」
「…っあの子が……
────錆兎が重篤なんだ」
その言葉に私は息が詰まった。
まるで時間が止まったかのように
この世の全てが一瞬真っ暗と錯覚するほど。
* * *
その後──…
鱗滝さんに連れられて
私は鬼殺隊関係の怪我人の療養所みたいな所で
介抱されてる錆兎さんと再会を果たした。
原作で、選別帰りの炭ちゃんが
あんなボロボロなのに
鬼殺隊は送ってくれないんかい!?
…って、ちょっと思ってたけど…
やっぱり、福利厚生はしっかりしてる。
選別などで重傷を負った者は
ここに運ばれて来るようだ。
きっと…ここが
蝶屋敷の前進みたいなものかな?
「錆兎さん……っ」
布団に横たわる錆兎さんは
全身に包帯が巻かれて呼吸も弱々しく
誰が見ても危ない状態だ。
「すぐ治療に移ります…!」
──トントン…トントン…
血鬼術を駆使すると
彼の状態がより深刻なのがわかる。
自己治癒力を高めるための青い光…
病気など人が手を加えないと
治らないものを癒すための赤い光…
それが無数に輝いて
もはや紫色の光にすら見えるのを
とにかく無心で打ち続けた。
視界の端で人が動いて
何事かとざわつくのが確認できたけど…
責任者さんなどに話を通すのは
鱗滝さんに丸投げして私は目の前に集中する。
**********
続く
ラッキー人物
煉獄杏寿郎 一目見ればそれだけで運気もテンションも体温も動悸も血圧も爆上がり!!死なない程度に盛り上がろう!
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亜紀野ユキ(プロフ) - 広海さん» どうもです!! (2022年2月23日 9時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
広海 - とても面白いです!続きが気になります。頑張ってください! (2022年2月21日 14時) (レス) @page44 id: 07ce481f94 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 茜さん» どうも!!!頑張ります(´ω`*) (2022年2月14日 20時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 楽しみに読んでいます!実に最高ですね(笑)体調崩さないよう応援してます✨ (2022年2月14日 19時) (レス) id: 1b144ebba8 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - みこちさん» 嬉しいデス!!忍たま良いですね(*´∇`*)私は水練の舳丸さん推しです (2022年2月12日 9時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年11月26日 21時