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五十話 偶然の出会い ページ3

【目線なし】


「……それで、ばあさん。
 あの女の子は何者なのさ」


「隠れ里近くの秘湯に
 あんな小さな子が来るなんて不思議です」


Aが去った後、
少女らは余所者の存在を訝しんで
老女に向かいそう問いかけた。


そう──…

ここは地図にも載っていない秘境…

────忍の隠れ里なのだ。


当然、先客の老女とも
数少ない忍仲間として顔見知りである。


「旅の途中で立ち寄ったそうだよ。
 なーに…相手はあどけない幼子なんだから
 そう身構えるもんじゃないよ」


親切に背中を流して貰ったことや
身体を労られたこともあって
老女はAに好感を持ち、とっさに庇う。

確かに、異質な存在には感じたが。


「それならいいけど…」


「将来が楽しみな可愛い子でしたね!
 名前を聞けばよかったです」


少女らの胸の内には今、
警戒心と好奇心がせめぎ合っている。

年少で可憐な容姿ゆえに
さすがに悪辣とした存在とは思えないが。


数年後の再会のときまで
出会いとも言えぬ今日の小さな記憶は
彼女らの頭の片隅に残り続ける。


「アンタみたいな変なのが話しかけたら
 怯えちゃうだろ!」


「ひっひどいです…まきをさん!!」


「もう…須磨もまきをもよしなさい」


ケンカする二人を見かねて
落ち着きのある少女が止めに入る。


「でも…雛鶴さんっ!!」


「あの子がただの一般人なら
 泊まってる間は私達がくの一だって
 気付かれないようにしましょうね」


たしなめるように雛鶴がそう言うと
二人も少し真剣な表情でこくりと頷いた。

ただでさえ今はもう数の少ない忍が
世間に知れ渡って
より生きにくくならないように。


「ヘマするんじゃないよ須磨ァ!」


「気を付けなさい」


「な…なんであたしだけなんですかァ!?」


この少女たちこそ──…

のちの鬼殺隊の音柱、宇髄天元の妻となる
三人の女忍者…くの一である。


公式ファンブックにすら
出生地不明と記載されるほどに
秘匿されている忍の隠れ里…

そのこともあって、Aも
宇髄の生い立ちにまつわるフラグ折りは
正直なところ半ば諦めていた。


けれども──…

今回の雲隠れのための寄り道のように
本来の目的から外れたことをすると
こんな偶然の出会いがあったりもする。



**********


続く

五十一話 謎解きの時間だ→←四十九話 ただいま雲隠れ中


ラッキー人物

煉獄杏寿郎 一目見ればそれだけで運気もテンションも体温も動悸も血圧も爆上がり!!死なない程度に盛り上がろう!


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亜紀野ユキ(プロフ) - 広海さん» どうもです!! (2022年2月23日 9時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
広海 - とても面白いです!続きが気になります。頑張ってください! (2022年2月21日 14時) (レス) @page44 id: 07ce481f94 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 茜さん» どうも!!!頑張ります(´ω`*) (2022年2月14日 20時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 楽しみに読んでいます!実に最高ですね(笑)体調崩さないよう応援してます✨ (2022年2月14日 19時) (レス) id: 1b144ebba8 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - みこちさん» 嬉しいデス!!忍たま良いですね(*´∇`*)私は水練の舳丸さん推しです (2022年2月12日 9時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜紀野ユキ | 作成日時:2021年11月26日 21時

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