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「うっわぁ...」
だけれど、幽霊じゃなくて、その人は新任の先生で、
先生に対しての黄色い声援、ってやつを聞いたのは、
初めて。
始業式の後の、先生の発表の時。
うちの学校は一貫教育で、
始業式は中高大で合同。
一応言っておくと、
中高はさらに男女で分かれてる。
「ねーめっちゃイケメン！」
『ちょ、引っ張んないで、』
もう、皆の目が♡で、
隣にいる杏菜でさえもやられているほど。
「Aはあんなにかっこいいお兄ちゃんがいるから目が肥えすぎてるだけだって！」
違うんだよ、
初めてみたわけじゃないだけだよ...。
でも、それを言うのはなんとなく嫌だった。
今思えば、
確かにあったはずの視線を、
私と、その先生だけの秘密にしておきたかったのかもしれない。
先生の名前は、櫻井翔。
新卒採用だから、22歳。
担当教科は数学。
どっかのクラスの副担任らしい、
「櫻井先生のクラスがよかったー」
「悪かったな！」
私たちの担任の先生は、城嶋先生。
面白くて優しいけど、ちょっと年が離れすぎてるから...いつも弄られちゃうの。
「このクラスに松本がいてほんとよかった！」
「贔屓だ〜」
「お前らの相手を俺だけでできるわけないだろ！」
城嶋先生の言う松本は、私のことで、
『ご自分で、どうにかなさってください』
「先生振られてる！あはは」
城嶋先生は、お兄ちゃんと大の仲良しなの。
だから、恐れ多いとか言いながらよく家に来るし、私も入学前から知ってる。
「松本ぉ、」
「先生しつこいと嫌われちゃうよ(笑)」
それに慣れきっている同級生。
私たちの学校は、中学校からクラス替えがないから、
必然的にみんなが仲良くなっていく。
特にこのクラスは稀なくらい、仲がいい。
楽しいから、なんの不満もなかった。
知らなかった、手に入らないものがあるなんて、
知らなかった、自分の力ではどうにもできないことがあるなんて。
私はまだ何も知らなかった、
若すぎた、
思えば思うほど遠いとか、
いなくなったら死んじゃうとか、
そんなの、本の中だけのことだと思ってた。
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あきんこ(プロフ) - ゆかりさん» 先生照れちゃいますよ(笑)いつも見ていただいて嬉しい限りです。 (2018年9月12日 17時) (
レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 櫻井先生大好きです (2018年9月12日 10時) (レス) id: 8447f08366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2018年9月5日 19時
