場地の妹が未来からやってきた

第40話 ページ41

白いドレスに白のベール


昔、母から聞いた花嫁のベールには花嫁を守る役目があるって

その頃から私はずっとウエディングドレスに憧れていたんだと思う

「よく似合ってるじゃねぇか」

「素敵よ……娘のこんな姿をみれる日がくるなんて……母さん泣きそうだわ」


「もうお母さん泣かないで……」


今日はわたしと千冬の結婚式

わたしにとっては２度目の結婚式だけど今回はバージンロードを一緒に歩いてくれるお兄ちゃんがいる

「俺がしっかり千冬のとこに送り届けてやるから安心しろよ」

ドレスは三ツ谷くんがデザインしてくれたもので今回もサムシングフォーが取り入れられたものになっている

東卍時代からみんながわたしに託してくれたものさすがに蘭ちゃんや竜ちゃんは呼べなかったけど…それでも幸せだ

今はあの二人はなにしてるんだろう

「お兄ちゃん……わたし……」

「おう……それ以上なにも言うな……わかってっから」

お兄ちゃんに優しく頭を撫でられてすこし寂しさを感じた

これからわたしはよその家に嫁ぐことになる

わたしたちの関係は変わらないだろうけどそれでも兄妹で一緒の家に暮らすことはなくなる

それがすこしだけ寂しい……

「ほら千冬くんもお友達も待ってるわ、主役が登場しないとね」


お母さんに言われてお兄ちゃんに先導してもらいながらわたしは進む


前をみれば黒髪の千冬がそこにいる

千冬の前に来てお兄ちゃんがそっと手を離すと千冬が手を伸ばしてきた


「ありがとな……オレと一緒になる道を選んでくれて」

「千冬……わたしもありがとう。わたしを選んでくれて」


そしてわたしたちは誓いのキスをした



願わくばこの幸せな日々が続きますように……

終わり ログインすれば
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