場地の妹が未来からやってきた

第31話 ページ33

幸いなことに腕は折れておらず打撲ですんだ

蘭ちゃんと竜ちゃんのお陰で天竺でも罰せられることはなかった

「悪かったな…A怪我は大丈夫か？」

そうやって話しかけてきたのは鶴蝶くん

「うん、平気…それよりもイザナくんとかに怒られるかと思ったけど怒らないんだね…」


「あいつにとっても妹だからじゃねぇかな？」

替え玉を出頭させることもなくこれでよかったんだ…

イザナくんには悪いけどこれでわたしの目的は終わり

あとは千冬かお兄ちゃんにボコボコにしてもらってみんなに嫌われるために頑張るだけ

「お兄ちゃん…千冬…」

一人で今夜の決戦の場である第三埠頭で海を眺めていた

こんなときだって思い出すのは千冬のことだ…

「千冬と海見たとき綺麗だったな…また千冬と海見たいなーでもわたしこんな風になっちゃったからもう海一緒に見れないのかな？」

夕方の海は綺麗なオレンジ色

でもそんなのは一瞬ですぐに真っ暗な海になる

「会いたいよ…千冬…」

灰谷兄弟の下に下ってから流れなかった涙がポロポロと流れてくる

もうすぐ決戦なのに…

わたしやっぱり弱いな…

第32話→←第30話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す