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なんとなく好きだなあって思った。でも、いずれなくなるものだと思ってたし、この関係も好きだったから、特に行動は起こさなかった。
可愛いな、とか、笑った、とか、簡単なことにさえ高鳴る鼓動が、今では馬鹿らしく感じる。
だって、日比谷さんは光来くんのことしか見てないから。
ただ真っ直ぐ見てて、その視線が熱っぽくて。
それで好きじゃないなんて言われても、説得力がない。
『 彼氏欲しいかも‥‥‥ 』
あれは、いつの日のことだったかな。
‥‥‥そうだ、日比谷さんの友達が、ある男の子と遊びに行った次の日だ。
その写真が送られたのを見て、いいなぁと、そう言っていた。
日比谷さんは、光来くんがいる前では、そういう話を絶対にしない。
( なのに、俺の前ではするんだ )
黒い感情が生まれ、すぐにかき消す。
『 なんでまた‥‥‥。日比谷さんは作ろうと思えばいつでも作れるでしょ 』
『 ‥‥‥、なんか、そゆんじゃないの。信頼できる人じゃないと怖いっていうか 』
君は、俺を信頼してくれてるの?
俺のこと、怖いとか思ってる?
『 じゃあ、 』
この時、少しの怒りに任せて、感情的に言ってしまった自分を殴りたい。
『 俺にすればいいよ 』
『 冗談言わないで 』とか『 昼神?ないない 』とか。
そう言われた方が、何百倍も良かったのに。
『 ‥‥‥そう、できたらいいのに 』
違うんだよ。俺は、日比谷さんにそんな顔して欲しくて言った訳じゃないんだよ。
少しでも揺れてくれたらな、って、そう思っただけなんだよ。
なんて、誰に聞こえるはずもないのに、必死に言い訳をする。
俺の気持ちなんかで日比谷さんを困らせてはいけない。
( ‥‥‥ごめんね、好きだよ )
光来くんと笑って話す彼女を見ながら、そう呟いた。
*
「 ‥‥‥俺‥‥‥、俺さ‥‥‥ 」
「 あの‥‥‥日比谷さんからお願いされた時‥‥‥ 」
「 話がある‥‥‥って、そう言われて‥‥‥ちょっと、嬉しかったんだ 」
「 でもさ‥‥‥、浮かれてたのが俺だけってわかった途端、惨めになって‥‥‥ 」
「 ‥‥‥多分、俺‥‥‥今、その時と同じ顔してる‥‥ 」
君を抱きしめていい理由が思いつかなかった、あの時と同じ顔をしている。
╾╾╾╾
三点リーダー使いすぎやねん
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恋う。(プロフ) - Renrenさん» 誰かの生きる理由になれるような偉大な作品を書けたとは全くもって思っていませんが、少しでもあなたのためになれたなら心から嬉しいです。こちらこそコメントありがとうございます!! (2020年12月26日 10時) (レス) id: b0168ce166 (このIDを非表示/違反報告)
Renren(プロフ) - 私も、生きる意味が分からなかったけど、この小説読んで今生きる理由を見つけました。ありがとうございます (2020年12月25日 20時) (レス) id: c1d45c9094 (このIDを非表示/違反報告)
恋う。(プロフ) - まみさん» あ"り"が"と"う"ごさ"い"ま"す"!!!!!!私自身も夢主ちゃん一途すぎね?と思いながらかいてます笑笑 昼神くん救われねぇなあ‥‥(遠い目)って感じです。コメントありがとうございました!!! (2020年12月7日 6時) (レス) id: b0168ce166 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - もう本当に好きです、、、星海くんと夢主のすれ違いがなんとも悲しいし、夢主は他の夢小説と違ってほんとに一途でとても素敵だと思います。でも自分はどうしても幸郎に感情移入してしまってなんとも辛いです、、、 これからも応援させていただいています! (2020年12月7日 0時) (レス) id: 78a66a55d1 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - うわぁーーーーーー……。星海くん、イケメンやわぁ。夢主ちゃん最終的に選んで欲しいけんなぁ。。 (2020年10月11日 15時) (レス) id: 4da161d36b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋う。 | 作成日時:2020年7月12日 18時