40話 車 ページ1
三人を乗せた車が、静かに、月とAの家へ向かっていく。
後部座席に座るAが窓を眺めれば、外から車の窓に張り付いたリュークの間抜け面に、Aは思わず吹き出しそうになった。
L「二人とも、車酔いは大丈夫ですか？」
月「あぁ、大丈夫だよ。Aは？」
「…別に」
不機嫌に返事をするAに、隣に座る月が微笑んだ時だ。
街灯の光が差し込み、Aの横顔が、月の目に映し出される。
その瞬間、Aの目が腫れていることに、月は気が付いた。
月「A、目、赤くない…？」
「あ」
Aが気まずそうにすれば、その会話を聞いていたLも、助手席から顔を覗かせて、Aの顔を見ている。
こっちを見るな、とAはLを威嚇した。
L「泣いてたんですか？」
「はぁ？この私が泣くわけないでしょ」
月「その顔じゃ、説得力ないよ」
月の言葉に、空気が重くなった気がした。
二人が自分に気を使っているのが、ひしひしと伝わってきて、Aは顰め面をする。
月「…キラだと疑われて嫌な気持ちになるのは、誰だってそうだよ。
でもね、僕は必ず、Aの疑いを晴らしてみせる」
「…」
月「だから、Aは今まで通り、平穏な日常を送ったらいい。Aが心配する必要は、何もないんだから」
自分がキラだと疑われて泣いていたのだろうと、月は思った。いや、そのぐらいでAが泣くとは思えないのだが、それ以外に理由が見つからなかった。
「…ありがとう月、頼りにしてる」
月が都合の良い方向に解釈している事に、Aがニヤけた所で、車は停まった。
窓からは、もう見慣れた我が家が見えるではないか。やはり、車は便利な乗り物だ。
月「お、もう着いたのか。送ってくれてありがとう、竜崎」
L「いえいえ」
「…ふん、感謝してあげる」
月「もーAったら…」
双子とLは車から降りて、別れの挨拶をする。
他愛もない会話を始める月とLを残して、自分はさっさと家に帰ろうと、Aが体の向きを変えた時だ。
L「月くん、先に家に入ってもらっていいですか。
Aさんと、少しお話したいので」
「…私と？」
Lが、Aと二人で話がしたいと言いだした。
そんなLに、Aは面倒くさそうな顔をしたが、Lの要求に答えるように、Aはその場に踏み止まる。
AはLにしたい事があったのだ。
L「Aさん、」
月が家へ入る姿を見送ったLが、口を開いたその瞬間、AはLに殴りかかった。
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みう(プロフ) - 展示会で再熱してあっきーさんの小説に辿り着きました！すごく面白くて一気読みしてしまいました！更新停止めちゃくちゃ悲しいです…。更新待ってます〜！！！ (4月12日 22時) (
レス) id: b8e8982ec1 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - コメント失礼します。とても面白いですね！ちょうどいい所で更新停止だったので、ちょっと悲しかったです！是非また更新してください😊🙌 (1月17日 7時) (レス) @page5 id: eab06e0c82 (このIDを非表示/違反報告)
神庭凛(プロフ) - めちゃくちゃ好きです！！！こんな素晴らしい作品を綴って下さりありがとうございます！デスノート夢で一番好きです！！キラが月じゃないっていうのが新すぎて衝撃でした…！！貴方様が筆を折らないのならもう永遠に更新停止で良いですそれぐらい満足しちゃいました…！ (2023年4月16日 2時) (レス) @page5 id: b50ad34c18 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 更新今でも待ってます (2022年12月22日 23時) (レス) id: 1a4b6b5d80 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めちゃめちゃ好きです！続きまってます！ (2021年7月19日 16時) (レス) id: 4e04052b96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あっきー | 作成日時：2019年5月6日 21時
