3話 放課後 ページ5
いつものように、退屈な学校が終わる。
部活に行く者、家に帰る者、遊びに行く者。それぞれが教室から出ていく中、入れ替わるように誰かが入ってきた。
月「A、帰るよ」
女子の熱い視線を浴びながら、Aを迎えに来たのは月だった。
学校に行く時も帰る時も、もちろん二人は一緒だ。それは、母が二人で行動しろと強く言っている点もあるが、月もなんだかんだ、Aが可愛いのだ。
「ごめん、今日一緒に帰れない。先生に呼ばれてるから」
月「え?なんで?」
Aは月に嘘をついた。
そう、いつもなら一緒に帰るのだが、Aはあの黒いノートが気になって仕方がなかったのだ。
「悪いことをしたから、先生に呼ばれたの」
月「はぁ…嘘ばっかり。
朝からといい、Aは僕と一緒に居たくないの?反抗期きちゃった?」
「そう、反抗期きた。でも今日だけ。
明日からは元通りだよ」
月「ははっ、そうか。…家に帰って母さんに怒られても知らないからな?」
しつこく理由を聞くこともせず、月はAの頭を撫でると"先に帰ってるね"と教室を出ていく。
教室の窓から、下校していく生徒の中に月がいるのを確認すると、Aは早速、落ちたと思われるノートの場所へと駆け出した。
…誰もいない裏庭へと到着すれば、奥にある茂みにひっそりと、Aを待っていたかのようにノートが落ちている。
「あった!」
躊躇いもせずに、Aはノートを手にとった。
"DEATH NOTE"
最初に目に入ったのは、ノートの表紙に書かれているこの文字だ。
死のノート?どういう意味なのだろうか。
少し興味がわき、中を確認しようとページを開けてみれば、英語でズラッと、ルールのような文章が書かれているではないか。
「…なにこれ。変なノート」
なぜか、胸が高鳴る。
Aは幸いにも頭が良い。英語なんてスラスラと読むことが出来た。
しかし読んでいる内に、その高鳴りは消えていくことになる。
「ノートに名前を書いたら、その者は…死ぬ?」
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作者名:あっきー | 作成日時:2019年5月1日 12時