33話 推理テスト ページ35
L「この三枚の写真は、キラが刑務所内の犯罪者を操って、死ぬ前に書かせたと思われるものです」
机の上の三枚の写真には"りんごしかたべない" "えるしっているか" "死神は" と、1枚1枚文字が写し出されている。
これに、Aはもちろん見に覚えがあった。
随分と前に、Aが、Lに向けて送った、揶揄いを交えたメッセージだったからだ。
L「これについて、夜神くんとAさんの意見を、聞かせて下さい」
月「…うーん、キラが死だけでなく、その人間の行動を操れるとしたらスゴい事実だよね。
しかもこれには、Lをからかうような文章が暗号化されている」
頭の良い月は、キラがLを挑発して送ったメッセージだと瞬時に当ててみせた。
興味深いと呟く月の隣で、Aは誇らしげな顔をする。
流石、私の兄だ。
「それぞれの文字を並び替えると、文章になるよね。"えるしっているか 死神は りんごしかたべない"と」
月「でも、写真の裏にプリントナンバーが入っているよ。
その順に並び替えると、"えるしっているか りんごしかたべない 死神は" だ。
…ま、不自然な文章だし、こう読ませようとしたのは考えにくいけどね」
L「ふたりとも、不正解です」
月「え？」
L「実は、四枚目の写真があるんです」
「…はい？」
驚く月とAに構わず、Lはポケットから新たに写真を取り出した。
二人は、四枚目の写真に釘付けになる。
L「この写真を加えるとこうなります。
"えるしっているか りんごしかたべない 死神は 手が赤い"」
は？？と思わず、Aは声が漏れそうになった。
この四枚目の写真に写る"手が赤い"という文字は、Aすら、見に覚えのないものだったからだ。
月「でも三枚だけなら、僕達の推理で完璧じゃないか」
L「完璧ではありません。事実、四枚あったのですから、そこまで推理して完璧です。
夜神くんとAさんは、文章が尻切れになるにも関わらず、三枚だと決めつけ、四枚目があると推理できなかった。
これも事実です」
Aはキレた。
当然だ。月とAの推理はあっている。
それは、キラである自分が一番よく分かっているのだから。
…なのに、なのに、私が書いていない文章を勝手に追加して、私と兄の顔に、泥をぬるだなんて…ッ！！
「だったら、最初から四枚とも出しなさいよッ！
私らを馬鹿にすんのもいい加減にしな！！」
己に激怒するAを、Lはジーッと見つめた。
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作者名：あっきー | 作成日時：2019年5月1日 12時
