25話 私はLです ページ27
?「夜神月くん、夜神Aさん」
月はその声に気付き、隣に座った男に顔を向けるが、Aは途端に顔を引き攣らせた。
こんな男が月と話す光景など、Aは微塵も見たくはない。"それ以上、月と会話をするな"と、男を睨み付けた。
月「ええっと、君は…」
?「流河旱樹です」
「月!コイツと会話しなくていいから!」
月「えぇ?」
友好的な態度の月とは違い、話しかけてきた男を無視するように、Aは月に強く言い放つ。
月は戸惑いつつも、Aの言うとおりにしようと、男を見た。
月「ごめんね。話があるならまた後で…」
?「警察庁、夜神総一郎局長の、息子さんと娘さんですね。貴方たちは過去に、数件の事件を助言し、解決に導いている」
月「…。なぜ、キミがそれを?」
無視を決め込もうとしたAと月であったが、父の職業は疎か、自分たちが過去にした事まで知っているこの男に、只者ではないと二人は顔色を変えた。
これは、会話せざるを得ない状況だ。
…この男、何者なのだろうか。
どこまで私たちを知っている?
?「そして、夜神くんは自らも警察官僚を目指し、今はキラ事件にも興味を示していますね?」
月「あ、あぁ。父と同じく、僕も警察官僚を目指しているからね。キラ事件にはとても興味があるよ」
?「その正義感と手腕を信じて、もし誰にも洩らさないと誓って頂ければ、お二人に、…キラ事件に関する重大なことをお話したいと思っています」
「キラ事件に関する、重大なこと…?」
ドクン、とAの胸が高鳴る。
それは当たり前のことだ。キラ事件に関する重大なことなんて、キラであるAが一番知りたいのだから。
今から何を知ることが出来るのか、Aは胸を踊らせた。
月「誰にも言わないよ。なに?」
?「…」
「…?」
?「私はLです」
「!」
一瞬、Aの目が大きく見開いたのを、男は見逃さなかった。
気持ちが高ぶり、体が小刻みに震えだす。
本物のLがそう簡単に"私はLだ"と言うわけがない。そう頭では理解していても、Aの震えが止まることはなかった。
L「…」
男が何かを感じ取ったのか、ジッとAを見つめる。
その黒い瞳に全てを見透かされそうで、Aは思わず、悲鳴をあげそうになった。
月「…もしあなたがLなら、僕の尊敬する憧れの人です。父もよく、貴方の話をしていますから」
良いタイミングで、月が男に話し始める。
その言葉に、男は月へと目線を移すのであった。
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作者名:あっきー | 作成日時:2019年5月1日 12時