私がキラでも【デスノート】 (ページ19)

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17話　正しさページ19

公園から一人帰ってきたAは、どこに行ってたの！と、怒った母に迎えられた。
申し訳なさそうに謝れば、ちょうど夕食が出来たタイミングで自分は帰って来たらしく、母の説教もすぐに終わったのであった。

母「月、A、今はテスト期間でしょ？テストはどうなの？」

月「余裕だよ、また100点間違いなしさ。Aもそうだろう？」

「もちろん！私と月は、双子揃って天才なんだから」

母「うふふ、本当に貴方たちが誇らしいわ」

カレーを頬張りながらそう微笑む母に、月とAも同調して微笑んだ。
そう、私たちは天才なんだ。二人揃えば、不可能なんてないんだから。

粧裕「ねえねえ！みんなテレビ見てみて！やばくなーい？」

月「ん？…キラに対して、捜査員1500人…？
わぁ、スゴイ数だね」

粧裕と月の言葉に、自然とAもテレビに目を向ければ、ニュースのテロップに"ICPOがキラに対し1500人の捜査員を派遣する"と書かれているではないか。

…なぜ、このタイミングでこんなテロップが？
キラを動揺させるためか？反応を見て、怪しいやつがいないか、カメラの先で確かめているのだろうか。

「…無駄無駄。捜査員の数増やしたって、キラを捕まえるのは無理でしょ」

カメラが仕掛けられている事はもちろん知っているが、Aは、カメラの向こうで見ているであろう者たちを挑発するかのように、そう喋った。

月「確かに、キラは謎が多いからね。
今の時点じゃ、誰もキラを捕まえられないよね」

「いやいや！今の時点じゃなくても、これから先、キラが捕まることはないよ」

粧裕「あはは！お姉ちゃん、キラ好きなの〜？」

粧裕の言葉に、Aはなんだか恥ずかしい気持ちになる。
自分で自分を援護するのは、中々に情けない事だとは思うが、Aは意を決して、ボソりと呟いた。

「…うん、好きだよ。だって、法律で裁けない悪い奴を殺してくれるんだよ。正義じゃん？」

粧裕「うん、だよね！キラって正義だよね！悪い奴なんて、やっつけちゃえばいいもん！」

Aは、身近にいる粧裕がキラ派だという事実を知り、内心かなり驚いた。
粧裕も私と同じ考えだなんて…。

少し嬉しさを感じるAの前で、母はう～ん？と首を傾げている。

母「…母さんは、人が人を裁いちゃいけないって思うのよね。
だってそんな事を続けていたら、何が正しいのか分からなくなってしまうわ」

Aは、母の言葉が理解できなかった。