私がキラでも【デスノート】 (ページ2)

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プロローグページ2

「Ωです」

そう淡々と告げた医者に、Aは瞬きも忘れ、思考すらも停止した。

この私が？
いつも成績トップで運動神経もよくて、周りから“きっとαに違いない“と言われ続けたこの私が？

ショックだった。
自分は今まで、ただαの子供を孕むだけのΩを馬鹿にして蔑んできたからだ。

そんな自分がまさかΩだなんて、Aは思ってもみなかったのだ。

(私がΩなら、きっと月も…！)

そう思って、Aは病院から駆け出した。
向かうはもちろん、我が家にいる双子の兄、月(ライト)の元だ。

…Aは、自分だけがΩなんて許せなかったのだ。

だってそうでしょう？月。
あなたは私の双子で、私と同じく天才肌で運動神経抜群で、仕草だって、細かいところまで同じで…。

…なにより月と一緒なら、自分がΩだっていう事実も、乗り越えられる気がするんだ。

月「あ、Aおかえり」

「月！診断どうだった！？」

月「ん？あぁ、βだったよ」

「べー、た？」

月「うん」

家に帰ってみれば、"βだった"なんて言う月の言葉に、Aは頭が真っ白になった。
そんなAの心境など知らずに、月は"αだと思ったんだけどなぁ〜"と、残念そうに呟いている。

もう、月の言葉などAの耳には入らない。
Aはただ絶望するだけだ。己の立場、将来、人間関係、人生、なにもかも。

Ωというものは、その者の人生すべてをぶち壊せるほどの"呪い"なのだ。

月「Aはどうだった?
…まさか、αだったなんて言わないだろうな？」

「…まさか。私もβだったよ」