好きにならなければ良かった、なんて。【蒼井翔太】

miss 16 ページ18

「・・・え？蒼井さん？」




蒼「若葉さん、なんで・・・・」

壮「若葉、こっち来て。」







若葉って・・・・？







蒼「え、えっと壮馬くん？」

壮「実はさ、俺、結婚したんだ。」

蒼「え、・・・マジで？」

壮「うん。」

蒼「もしかして、相手って・・・・・？」

壮「・・・・若葉、だよ。」







　
　

　



・・・・・やっぱり、そういうことか。

　
　

　
　




「あ、黙っててごめんなさい。」

壮「お互いの仕事柄、喋らなかったんだ。でも、しょーたんのマネージャーだからさ、何も言わないのはどうかなって・・・。」

　
　
　
　

　

そういうことだったんだ・・・・・。



　
　


　
　

蒼「・・・それって、他に知ってる人は？」

壮「事務所の人は。でも、ほとんど誰にも言ってないよ。」

蒼「公表したりは？」

壮「一応、考えてる。」

蒼「そっか。・・・・壮馬くん。」

壮「ん？」

蒼「・・・・・おめでとう。」

壮「・・・・ありがとう、しょーたん。」

蒼「若葉さんも。」

「あ、ありがとうございます・・・！！」







自分で言っていて、胸が締め付けられる。



言葉を発しようとする度、喉につっかえて苦しくなる。







二人にバレないように、平然を装うのに必死だった。





　
　
蒼「二人はいつからの付き合いなの？」

「高校生のときです。」
　
蒼「へぇ〜！じゃあ、秀にぃが壮馬くんと一緒にいたって言ってたのも若葉さん？」

壮「あぁ、うん。そうだよ。」

蒼「高校の同級生って、間違いじゃないんだね(笑)」

壮「そうだね(笑)」




　
　
　

　
　

　
　

聞きたくもない話を、



自分から聞いて、



勝手に嫉妬して。









　
　
　
　
元々、僕に勝ち目なんてなかったんだ。





好きになった人には、好きな人がいて、





しかも、結婚しているんだから。




　
　

　
　
　

　



もっと早く出会えてればとか、


　

　

若葉さんに想い人がいなければとか、
　



　

きっとそんなんじゃなくて、





　
　
　
　

　
　

最初から、交わらない場所にいたんだ。



　

　
そういう運命だったんだ。


　
　





　
　

　

僕の女神は微笑むのに、


　
　

　

勝利の女神は微笑まないんだ。


　
　
　

　
　
　

　
　

　




今この瞬間も。

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