story 30 ~akito story~ ページ33
兄貴の病気はよくなる気配はなく、
少しずつ、元気をなくしていった。
兄貴が14歳の夏休み
またいつものコテージに家族全員で行った。
春「・・・兄貴、少しは休んだら?来ていきなりピアノ弾く?」
秋「・・・うん。ピアノ弾くのは、楽しい、から・・・」
春「あのねぇ・・・俺も、母さんも父さんも、兄貴のこと心配してるんやで?」
秋「分かってる。でも・・・今少しくらい無理せんと、若葉を不安にさせるだけやし・・・」
いつも若葉のことを最優先にする兄貴。
少しは自分のことを心配したらどうなの・・・?
春「兄貴が元気やったら若葉も嬉しいだろうけど、兄貴に何かあったら、悲しむのも若葉なんやで?」
秋「分かってるって。だから、もし俺がいなくなっても、若葉が今まで通りに生きていけるように・・・」
そこまで言って、
兄貴はまたピアノに向かった。
何をやっているのかは分からなかったけど
今ならわかる気がする。
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若葉side
春『兄貴・・・きっと、若葉の為に、曲を作ってたんとちゃうかなぁ、って。』
何それ
じゃあ、私が聞いた曲は?
今持っている楽譜は?
全部全部、
『秋人が私の為に書いた曲』・・・・・?
主『そん・・・な・・』
春『せやから、未だにその部屋で、若葉の為に曲作ってんのかも・・・・なんて、非現実的なことやけど・・・』
主『・・・あながち、間違いじゃないのかも・・・?』
春『ん?なんか言うた?』
主『・・・今な?手元に、秋人が書いたらしき楽譜があるんやけど・・・』
春『そ、それ、ホンマに・・・・!?』
主『う、うん・・・』
春『・・・あのさ、今度大阪帰ってくるんやって?そん時に詳しく話したいから、その楽譜、厳重に保存しといてな!ええな!』
主『え!?あ、あぁ、うん・・・・』
プーッ、プーッ、・・・・・
あ、電話切れた。
なんか・・・・
嵐みたいだったな・・・
雨「あ、あのっ!大丈夫・・・でしたか?」
あおい「若葉・・・?秋人、って・・・」
若葉「あぁ・・・うん。大丈夫だよ?ちょっと色々あって、ね・・・・」
とにかく、
さっさと一週間たたないかな・・・
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作者名:咲姫 | 作成日時:2017年4月7日 15時