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『……っ！
(覚えていて…くれた…？)』
嬉しいはずなのに…それなのに…
何故か足は後ずさって、気付いたら走り出していた
.
なんで…だろう。
あんなに会いたかったのに…
このぐしゃぐしゃな気持ちは何…？
悲しい…？嬉しい…？ここに居たらいけない？
分からない…どうして……っ！
.
─── ｶﾞｻｶﾞｻｯ!
「カァー カァー」
ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ…!──────
.
.
『(……なに、してんだろ…。僕…)』
騎士団に入ってヤミに会いたいから何年も山に籠ったのに…なんで、僕…逃げてるんだろう。
自分でも分からない…
なんで、自分がヤミから離れたのかが…
分かんないよ。
ねぇ…… ───
.
────── なんで…？
.
.
── ヤミ Side ──
あれから零が戻ってこないから森の中まで探しに来た。
「…っつーか、零のやつ野宿してるのか？」
外なんかじゃなくっても広間で寝りゃー良いのに…
………零のやつから何故かAの匂いがしたのは俺の唯の気のせいか…？
人見知りも…あんま喋んないとこも…
Aと似ているようにも思えたが
────ｶﾞｻｶﾞｻｯ…!
「あ？其所に誰かいるのか？」
そう言えば何かが驚いた様な感じで同じ場所をおろおろとしているから誰かがいるのかと思い一様念のために刀に手をおき何時でも抜けれる状態にしながらそこに向かって脚を進めた。
.
見たのは何年前に俺と一緒にいた彼奴の…
「……！」
.
Aだった…
左右の目の水色や白に少し銀が混ざった色…
そして何より俺からAにやった黒のチョーカー
「お前、まさか……
.
─────A…か？」
そう言いAに近付こうと歩み寄ると最初は驚いていたがその後、ゆっくりと後ずさって森の奥に走っていってしまった…
「……A…！」
俺もAを追いかけて森の奥に走っていった。
今度は後悔しねぇように…
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作者名：黒猫 | 作成日時：2018年10月20日 10時
