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33. ページ34

サァァァ… と風が急に強くなったかと思えば何処からか凄い魔力が感じられた。


『……!…凄い、魔力』



「…俺は分かんねぇぞ」


ポフンッ…!───

人の姿から猫になると僕は地面から ひょいっ
と抱き上げて膝の上に下ろしてから左の手で撫でる。



『しょうがないよ…』


僕がクロの喉に優しく手を差し出して撫でると目を細めて気持ち良さそうに鳴く



「ゴロゴロ…♪」



「(…分かってても、向き合えねー…)」





クロは僕の膝の上で ごろごろ と喉をならして気持ち良さそうに座っていた。




.







.



場所は変わってアジト前…──


そこにはもう団員が揃っており、デカい水の固まりが……




「あらあら〜」


「魔力が暴走しちまってやがるな」


「なんつー魔力量だ…!あれほっといたらやべーぞ」


「魔法で攻撃しちまうと中のアイツがただじゃ済まんな…」





ボソッとヤミさんが言ったその時
上からアスタが降ってきた。



「! あ。ちょーどいいトコに飛んで来たな」


「どふっ!」


「ちょっとアレどーにかして来い」



ヤミさんがアスタを掴んだままそう話し
アスタはそれに対し、 無理です と否定した。


が、ヤミさんにそれは通用しない。



「今、ここで、限界を超えろ」



アスタさんを銀髪の女の子、ノエルさんの方へと投げ飛ばした。


そしてアスタさんはノエルさんの暴走した魔法を、あの剣で斬った。

が、その次の瞬間に二人は落ちた。
だがフィンラルさんの空間魔法によって救われた。



「生きてたァー!!」

「よくやった、小僧」

「──…うすっ!!」



いい返事をしたアスタさんは倒れているノエルさんに気がついた。



「なんちゅー魔力持ってんだよ!!すっげぇーな!!」


「え…」


「オレ、魔力無いから羨ましいぞ、チクショォォ。

特訓して自在に扱えるよーになればオマエ、無敵だな!!」



オレも負けないようにしねーと! とアスタは言った。



「何だ、魔力がコントロール出来なかっただけかよ。早く言えよ、出来損ない王族」


「オレ達は出来損ない集団、『黒の暴牛』だぞ。

テメーの欠点ごときどーってこたねぇんだよ、バカタレ」



マグナさんがそういったあとに続いてノエルに声をかける団員達。



「ほいよ!」



アスタがノエルに手を伸ばす。



「……よろしく、お願いします」




.


「(そういやー…零の奴、どこ行ったんだ?)」


先程から見ない零に気付いたヤミは辺りを見渡したが其所には居なかった。

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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年10月20日 10時

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