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32. ページ33

こんな夜には盃を誰かと交わしてみたいな…


ま、こんな不完全となってしまった今じゃ誰も交わしてくれるお人好しはそうそういないけど……







パラパラ…


魔導書(グリモワール)を開き目的のページで捲るのを止める


『 闇転生魔法…沈黙する終焉(スリーピーアッシュ)





チリンッ…!───

その綺麗な鈴の音の後に僕の座っていた隣に猫が姿を見せる…




「……にゃーん…」



『久しぶりだね…クロ。元気だった?』




その クロ と呼ばれる黒猫はもうひとあくび吐き出した。




「…最近呼んでくれねぇから…引きこもりを満喫してたのに……」



『ふふっ…! クロらしい…』



「…引きこもりは良いぞー。面倒事に巻き込まれずに済むからな」




『……ねぇ…クロ』



「…ん…どーした?」




『僕さ……────



…兄さん達の世界に…帰りたいって思う時があるの……だけど…まだ、あれは…未完成だし…』




僕とクロの間を風が サァァァ と静かに擦り付けていく。






「……まー、なんだ…。
Aならいつでも帰ってこれるし、
いざとなったらおにーちゃん達が頑張ってやるから…

本当に帰りたくなったら俺達を頼れ」




『うん……ありがとっ、お兄ちゃん!』





ふにゃり と微笑みクロは猫姿から人姿になる。



───ポフッ…


「…Aは俺が…俺達が守る…」




『……うん…!』



クロの撫でる手が暖かい…
ぽろぽろ と両目から流れる涙を拭った


クロは少し吃驚しながらも背中に片方の手を伸ばしクロの体に抱き寄せられリズムの刻まれた心地よさに眠気が来る……






彼が居てくれることへの安心感…暖かさ…全てが僕にとっては心の支え。


そして、クロは…… "吸血鬼" である





僕も……ある実験事故により時空が乱れ
未完成の真祖の僕はこの世界に送り込まれてしまった吸血鬼…



──・──・──・──・──・──・──


作者の黒猫から


あー…クロって言う子は 『サーヴァンプ』 っつーアニメのキャラなんですけど…。

クロスオーバーとまでは行かないかと思います。たぶん…

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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年10月20日 10時

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