31. ページ32
ｼﾞｬﾗ…
『(これ…足枷……)』
「お前みたいな出来損ないはどっかに行けっ！」
『……っ！』
───ﾄﾞｶﾞｯ!
『……痛い…』
「来んな！化け物が！」
────ﾊﾞｷｯ!
『あ…がっ……！』
「この村から出て行けっ！」
───ｶﾞｺｯ!
『かはっ…！』
「うぜーんだよ」
───ﾊﾞｺｯ!
『……ぅっ…』
痛い……痛い…
辛い…身体中が……心が……
やめて…嫌だ……
僕は……っ、化け物…なんかじゃ……っ！
.
なんで……僕は…化け物なんかに…ナッテシマッタノ…？
こんな不公平な世界は嫌いだ…
間違ってる……
王族も…貴族も…平民も…下民も……
そんな…差別のある世界は…嫌いだ……
差別のある世界なんて…──────
.
僕達◯◯◯から幸せな日々を奪った人間なんて
.
────無くなってシマエバいいノニナ…
──────
.
──
『………あんな夢…もう……見たく…ない、のに…』
ツゥ───…
両目から流れたその涙は僕の頬を伝って真下に置いてあった服の袖を ぽたぽたっ と濡らしていく…
彼処から脱け出して…ヤミにも、レヴィにも会えて…騎士団にも入れた……だから、こんな昔の夢なんて見ないと思ってたのに少し気が抜けるとまた悪夢をみる……
包帯で巻いてある足首を触っても、
あの足枷はもう外れているんだ…
少なくとも…今は独りじゃない……
レヴィアナが側に居てくれるだけで凄く安心するし、
嗚呼、もう昔とは違うんだ… って少しだけ感じる。
ぺたっ……
レヴィを起こさないようにそっと脱け出す…。
ﾎﾟﾌﾝｯ…
暴牛の建物から近い森の中を狼の姿で少し散歩する……
…この時間帯だと…皆寝てるんだろうな…
夜行性の僕みたいなのは別だけどね…
ｶｻｯｶｻｯ──…
ｶﾞｻｯ…!
おー、丁度良いくらいの高さの岩がある…
少し削らないと座れない…かな
『闇魔法 "闇纏い・黒獣の刃"』
両手に黒いものを纏わせそれは軈て姿を変えてすこし青の混じった黒く鋭い駒爪となった
────ｶﾞｯ! ｶﾞｯ!
ま、こんなものかな…？
僕は削った岩の上に座り空には散りばめられた小さく輝く星夜空を眺める。
『…知らなかった……夜の世界が…こんなにも……美しかったんだなぁ……』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒猫 | 作成日時：2018年10月20日 10時
