7話 ページ9
ガチャッ──
俺達は首領の部屋から退出して長い廊下を歩いていた。
『……本当に其の…任務…?に行かないといけない?』
「首領の命令は絶対だ」
『ふーん…絶対なぁ…。まるで飼われている犬だな』
「犬?…まあ、間違っちゃいねぇが…」
『くわぁ…』
───ポフンッ!
人からホワイトハスキーになり中也の隣を歩く。
すると、中也さんが口を開き言った。
「なあ、其の…姿を変えれるのは異能力なのか?」
『……?いや?こういう動物の姿に変えることが出来るのは吸血鬼には良くあることだぞ?』
「…?そうなのか?」
『嗚呼。怠惰の兄さんは黒猫に姿を変えることが出来るし、傲慢はコウモリになれるし、嫉妬は蛇に、色欲は蝶に、強欲は針鼠になれる…あとは、憤怒の姐さんは狼に……憂u』
「お、おい待て。いったい何人いるんだ!?」
『…ん?僕も含めて9人兄弟だよ?』
「…は?!9人も居んのか!」
『うん。…でも今のところ5人の兄弟は
『ま、僕は一生
そう言って歩いていると1つの扉の前で中也さんは脚を止めた。
「……此処が俺の執務室だ」
『此処が…貴方の仕事部屋…?』
「そうだ。ま、部屋が決まるまで此処に居れば良い」
『……そうさせて貰いますわ』
中也さんの後ろを着いていった。
ガチャッ──
『…結構綺麗なんですね』
「そうか?」
『……(コクン』
俺は頷き中也さんを見た。
「…あ、腹減ってないか?」
『……減ってないと言ったら…嘘になるかな』
「普通の飯は食えないのか?」
『いや、食べれなくはないけど…あんまり普通の食事をしたことがない』
中也さんは話をしながら調理する台に行った。
「俺に会うまでどうしてたんだよ?」
『街に来ては人間からご飯…?みたいな食べ物を貰って過ごしてきた…』
「…ちょっと待て。吸血鬼って血を飲むんじゃないのか?」
『……其れはな…。まあ、もし…中也さんが自分の
『今言っちゃうと其処から情報が漏れてしまって後々彼奴らに居場所を突き止められて追っ掛けられるのも面倒臭いし…な』
と言うとソファーの上にジャンプして乗ると丸まった。
120人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒猫 | 作成日時:2018年7月29日 16時