25話 ページ27
暫く自分の中から出ようとせずにとどまった…
『……相変わらず嫌な記憶しかねぇな…此処は』
歩く度に地面は ピチャン…!ピチャン…! と音をたてる。
自分の目の前には黒い扉の前に頑丈な鎖で繋がれ真ん中には鍵穴
『そろそろ…か』
静かに目を閉じて滴の音を聴いていた
───────ピチャン…!
.
─────ピチャン…
.
───ポチャン…!
『……んっ…』
体を起こして伸びをするといつの間にか窓際からソファーの上に移動されており、
その上ご丁寧にブランケットまで掛けられていた。
『…… (キョロキョロ 』
辺りを見渡すと中也さんが仕事机で書類の山を片付けていた
俺の足元に1枚の紙が落ちてきて其れを拾い上げる
『…… (ピラッ』
……其の紙には "組織壊滅任務 作戦" と書かれていた
俺は一通り目を通して場所や人物を把握し終えたと何故か苛立ちが底から沸々と込み上げてきた
『………』
その作戦書を グシャグシャにしたい気持ちを押さえ、
書類を片付けていた中也さんに バンッ と机の上に置き
ポフン…! と音をたてて人間の姿になる
中也さんに何か言われていても其れに耳を貸さずドアノブを捻って廊下へと出た。
.
コツ…コツ…
ブーツの音が長い廊下に響く その中で俺は珍しく怒りが自分で押さえれるか分からないほどにもうすぐ其処まで込み上げていた
『…チッ…こんなにむしゃくしゃするなんざ俺らしくねェ……が、
彼奴にはあの頃以上にグシャグシャにする必要が…
いや、今度はそんな甘いことしねェ
.
きゅっとして…ドカーンだ』
黒い笑みで右手をグーからパーへと変えて小さな爆発をおこし言う。
そんな俺を見て横を通る部下らしき奴等は
顔を真っ青にさせて慌てて頭を下げて何処かに行ってしまう。
………そんぐらい怖ぇってことか?
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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年7月29日 16時