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校舎を走り回って源先輩を探す寧々
寧々「やっと見つけた…けど……」
はぁはぁ と息を切らしているのを整えようと影から源先輩の様子を見る
ベンチに座る先輩と先輩の前に立つ女性
頑張って声をかけたのだろう
「 あの…あの 」 と繰り返す言葉
赤い顔をしながら頑張ってつむぐ告白に
寧々は焦っていた
輝「あ…あぁ……」
先輩は困った表情で片手を頭に乗せながら目線を少しだけそらす
寧々「( NO！NOです先輩!
あと､少しなのに… )」
寧々は両手に鱗の入った巾着を乗せながら
見ていた
輝「ごめん 僕､好きな子がいるんだ
ずっと前から好きで
どうしてもその子じゃないと……
だからごめんね」
寧々「( 先輩…好きな人いたんだ…
…けど､ これを飲ませたら そんな事… )」
優しく断る先輩の姿にギュッと握りしめる人魚の鱗
「 誰でもいーんだ 」
花子さんに明るく言われたその一言が脳内で再生する
寧々「( そんな事… )」
どんなに否定をしてもしきれない現実
───ピキ… パキ…ｯ!
不可解な音が身近から発せられる
ふと腕を見ると広がる鱗
寧々「いや…っ!」
.
外まで出るとヤシロが魚になってしまって
地に落ちてしまう寸前
『に"…… にゃあ…』
背中で受け止めて ほっ… とするのも
そんなことをしている時間がない為 ､
ﾎﾟﾋｭﾝ! と音と共に人間に戻って
少しして花子くんと合流すると
僕は
魚のヤシロを ぽちゃん…! と用意してくれた
水の入ってる水槽に優しく入れる
.
.
"どうして？"
"なんでこんなことになっちゃったの？"
繰り返される自問自答
"今まで頑張ったんだから"
ふと甦る花子さんの姿
"頑張ったって" "何を？"
寧々「自業自得だ 全部」
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作者名：黒猫 | 作成日時：2020年3月22日 1時
