種明かし 00 . ページ15
その後はずっと屋上にいた
下を見下ろせば下校する生徒が沢山見える
少しすればヤシロの姿も見えた
…まぁ、僕にとったらどうでも良いんだけど
『 ……今日も仕事なし…か 』
僕の噂があまり広まらないのは
1部ではなく折角なら本当の噂教えてあげる
僕の噂はこう………
病にかかってしまったり、
死期が近かったりする時、
汝、心から強く願え
九尾さんの所へ行くと完治してくれたり
死期までの寿命を伸ばしてくれるんだって
……でも、 それらの願いを叶える為の代償が凄く重いから 少しでも代償が支払えなかったり
約束を破ったりすれば……
──────跡形もなく消されてしまう
これが本当の噂……
それ以外の願い事で僕に出来る事なら
叶えてあげられる
代償もそこまで重くはないし
良いとは思う…
命に関わる願いは
その相手にも重い代償があるけど
1番は僕にかかってくる
だって… 世界の仕組みを変えてしまう事にだってなってしまうような事なんだから…
そして流されている1部の噂は
お願いを聞く代わりに何か大事な物
1つを代償にする…
これだけ…短いけど誰も僕が怪異だって知らないし、
境界の場所とか、特徴になるようなものも流れてない
嗚呼、それと…僕の姿が見えるのは
霊力がある祓い屋か、もしくは…死期の近い人間だけ
.
………さてとっ、 暗い話はここまでだ
もう少ししたら普来てくれるかな?
『月っていつ見ても… 綺麗だなぁ…』
僕は首から掛けている小さな小袋から
生前…普から貰った宝物 月の石 を
満月に掲げて眺める
『この石も変わらずに綺麗なのに…
どこにだって行けた気がしたのにね
……… さてっ 、
『そう…… 何もないようなら良いんだ
まぁ、 いざとなれば7番様もいるし
土籠先生だっているんだからね』
────カリッ!!
僕はポケットに居れていた飴玉を1つ取り出し
包み紙から飴玉を取り出し宙に投げ歯でキャッチし
ころっ と口の中にいれる
コロコロ と口の中で転がしながら
今日は土籠先生の境界で寝よっかなー…
なんて思いながら夜空を眺めていた
『ほんと… 綺麗な月だよ……』
その声は夜風と共にかき消されてしまう程
弱々しいものだった…
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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年3月22日 1時