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Aの居なくなった空き教室に残された赤葦さんと僕は話すことなく佇んでいた。
元々そんなに話さない二人がいるとこうなるのか。
喉を通る汗をタオルで拭き取った。
「…ねぇ」
そう淡々と聞こえた声に反応して、顔を向ける。
Aが居なくなってか、先程からの纏う雰囲気が変わったように感じた。
緊張感が背中を走って、つい警戒をしてしまう。
赤葦「すごいかわいいね」
月島「…そう、ですね」
赤葦「Aさん…Aって言うんだ。」
やらかした。
言わなければよかった。
なるべく彼女が他の目に映るのもいやなのに
名前をばらしてしまった罪悪感と自己嫌悪で更に汗が出てくる。
赤葦「ねえ、幼馴染みなんでしょ?」
月島「そうですけど」
赤葦「じゃあ恋愛感情とか無いよね?」
月島「…さあ?」
赤葦「だってさ、考えてみてよ。
今までずーっといたやつが急に好きだなんて」
なんだか好い人だと思っていたのに、評価が一方的に下がっていく。
この人めんどくさい。
赤葦「Aちゃんはどう思うだろうね」
月島「そんなの関係ないです」
赤葦「それを思ってるのはツッキーだけじゃない?」
そういわれると確かにそうだ。
ずっと過ごしていたやつから、しかも恋愛感情なんて無い奴から。
突然告白なんてされたらたまったもんじゃないだろう。
傍に居づらくもなるし、彼女のことだからきっと避ける。
それだけは、僕からも考えたくない事だった。
赤葦「もう辞めといたほうがいいんじゃない?」
そういって出ていった赤葦さんの問いかけに答えることは出来なかった。
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モカ(プロフ) - もちゃこさん» ありがとうございます!初めての宮くんですが、頑張ります! (2018年8月3日 16時) (レス) id: 5993d4e948 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃこ - 初めてコメントします。宮くんの小説楽しみです! (2018年8月2日 20時) (レス) id: ceaa89e085 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2018年6月30日 23時