【HQ】Don't touch me！ (ページ3)

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私と赤葦の出会いは高校一年生だった。

世に言う一目惚れというもので、彼に釘付けになった。

中学の頃にあまりいなかった美形で
すらりとした体型や、曲がっていない背中。

見れば見るほど貴方は魅力的な人だった。

クラスは同じだが、あまり話さない人で
時々バレー部の人が来ては彼の腕を引き中庭へと誘った。

今思えば見ているだけの時間は楽しかったように感じる。

夏休み。
彼の部活がオフだというものだから、クラスのみんなで花火を見に行った。

面倒臭くて浴衣なんか着て行かずに、私服でなるべくかわいいの。

貴方が来るから少し粧し込んだ。

楽しみすぎて約束の時間より早めに着いてしまっても貴方はいた。

「早いね」なんて微笑んで見せるから、胸が高鳴った。

好きだと思った。

「浴衣着てこなかったの？」なんていうから、着てこればよかったと思った。

たった数分が幸せだった。

その頃から私は彼に惚れていたのだ。

十分承知だった。

付き合っても貴方はバレーが一番で
私なんて勉強や家族、先輩、後輩より後ろでいいと思っていた。

それでも言いたかった

伝えないよりマシだと思った。