love at first sigh (ページ8)

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story7 ページ8

あなたに出会った日
きっと何かが変わり始めたんだね。

ーーー

『あ、すいません。私自分の部署の人しかほとんど知らなくて...』

自分が今までどれだけ会社の人と関わってこなかったかが分かる。
結愛ちゃんと他の同期のコと部長の顔しか知らない。

(...平野)

『あ、平野さんですね。』

｢平野歩夢。ここの社員じゃないけど｣

『え？』

｢じゃあ｣

そう言って私を見つめたまま笑顔を見せた後、エレベーターの扉を止めていた彼の手が離れて、扉は閉まった。

これが、彼との初めての出会い。

そして今日。
あの日から1度も会うことはなかったのに、ここで2度目の出会い。

｢頑張れよ、寶井さん｣

私が苦戦しているのを面白がっているのか、ニヤリと笑みを浮かべて彼は朝から会社を出て行った。

優しい人だと思ってたのに...
やっぱり意地悪かも。

｢ちょ、ちょっと心愛！｣

結愛ちゃんを見ると、心底驚いた顔で私を見ていた。

｢あんた、平野くんといつ知り合ったの？｣

『え、2ヶ月前くらい？でも、知り合ったって言うかエレベーターでちょっと一緒になったくらいで...』

結愛ちゃんの勢いが凄いんですけど。
何？誰？有名な人？

｢平野くんが笑ってるとこなんて、わたし生で初めて見たわ｣

『え？そうなの？』

そんな笑わない人なのかな？
でも、あの日エレベーターで偶然一緒に乗った時も、
確か笑ってた気がするけど...

私にはとても"笑顔が似合う人"には見えた。