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story5 ページ6

2人になれたのは、
出会いとタイミング。

ーーー


今から2ヶ月前。


その日はいつものように、仕事のあと結愛ちゃんと飲みに行った日で、ホロ酔い気分良く家に帰り、ドアの前で気付く。


...家の鍵が、ない。


どこに忘れたのか、冷静に考える。
多分、落としてはいないはず。


そして記憶の片隅で、思い出した。
会社のロッカーの鍵を帰りに閉め忘れた時キーケースごと挿したまま置いてきてしまったことを。


今から会社に戻るなんて、最悪だ。
だけど、鍵がなかったら家には入れない。


仕方なくまた電車で会社へ向かった。
終電前で良かった。


22時過ぎ、正面玄関はもう閉まっているから、裏口の警備員さんに社員証を見せてエレベーターで8階に向かう。


裏口のエレベーター、古くていつか壊れそう。
真っ暗なロッカールームに入ると、やっぱりキーケースごと刺さっていた。


ホッとして、キーケースをカバンに閉まってまたエレベーターに乗り込む。


裏口のエレベーターなんて、こんな時間に誰も乗ってこないと思っていたら、5階でエレベーターが止まり、1人の男性が入ってきた。


iphone片手にエレベーターに乗り、私とは逆の離れた位置に立つ。


はっきり顔は見えなかったけど、多分見たことない顔の人。


むしろ私には見たことのない社員の方が多過ぎるぐらいだけど。



この人、何階で降りるんだろう?





『あの、何階押しますか?』





恐る恐る声を掛けてみると、男性はiphoneの画面をフリックしながら「B1」と答えた。
言われるがままにB1のボタンを押した。


なのにボタンが点灯しない。





『...あれ?』





何度か連打すると、エレベーターが突然ガタンと激しい音を鳴らして停止してしまった。


嘘。ドラマじゃあるまいし、何で...
慌ててドアを叩くけど、もちろん叩いたところで何も起きない。


すると、さっきまでiphoneをいじっていた男性が非常用の呼び出しボタンを押して警備の人と何かを話し始めた。





「10分ぐらい待ってろって。...何かしたの?」






顔を見なくても分かる。
この人、絶対に怒ってる。

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akimakixxx(プロフ) - kanadeさん» 私にも分かりません^^;笑 (2018年8月7日 21時) (レス) id: 85c669e5c3 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - これから歩夢君とヒロインちゃんがどうなっていくのか楽しみです。 (2018年8月7日 21時) (レス) id: df4e83e4db (このIDを非表示/違反報告)
akimakixxx(プロフ) - kanadeさん» ずっと思考回路0でした(>_<;) (2018年8月7日 0時) (レス) id: 85c669e5c3 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - 更新待ってました。 (2018年8月7日 0時) (レス) id: df4e83e4db (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - キュンキュンしながら読んでます。 (2018年8月1日 23時) (レス) id: c9d57448f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:am | 作成日時:2018年6月26日 1時

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