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story29 ページ30

どうしていつも、
私の心に火を灯すの?

ーーー


『こんばんは』

(あらっ、心愛ちゃんいらっしゃい!)




一人だからカウンターの席に座る。
おばさんもおじさんも、前回来た時から私のことを心愛ちゃんって呼んでくれる。


そんな暖かい扱いが嬉しかった。




(心愛ちゃん、平野くんは今日来ないの?)

『えっと、多分来ないと思いますけど…』

(新作のメニュー旦那が作ったんだけど、平野くんに味見して欲しかったんだよね〜。
ほらっ、あのコの意見って明確でしょ?)




確かに分かる気がする。




(ちょっと心愛ちゃん、平野くんのこと呼び出してよ)

『え?』

(お願い)




仕方なくバックからiPhoneを取り出し、電話帳から平野くんの番号を画面に映す。


本当に電話するの?


背後から思い切りおばさんの視線を感じる。
断れない雰囲気の中、平野くんの番号を押した。


あ、そう言えば平野くん、合宿中だって卓くんが言ってた様な…


押した瞬間に思い出したけど、もう遅くて。
耳にコール音が響いた。




「もしもし」




平野くんはわずか2コールで電話に出た。
あまりの速さに驚いて、言葉が出てこない。




「もしもーし」

『あ、あの、わたし寶井…』

「そんなの分かってるから。…何かあったの?」

『じ、実は定食屋に来ていて…』

「は?」


平野くんの"は?"は拍子抜け声。




『だから、その定食屋のおばさんが、平野くんに来て欲しいって言ってて…』

「なんだ、おばちゃんか。めんどくせぇ」

『だよね?苦笑』




合宿から帰ってきたばかりなら、相当疲れているはずだ。




『じゃあ、私からおばさんに言うておくね』

「いい。今から行くから俺が来るまでいて」




あっという間に電話は切れた。




(どうだった?平野くん来るって?)

『あ、今から来るみたいです』

(やっぱりね!じゃあ、心愛ちゃんの食事も平野くんが来たら出すからね)

『え?』




早く食べたかったのに。
平野くん何時に来るんだろう?


仕方なく結愛ちゃんが作ってくれた受付マニュアルを読み込む。


すると、電話をしてから15分ぐらいで平野くんが
店に入ってきた。
入ってすぐに私に気付き、カウンターの私の横の席に座る。




『早かったね』

「近くにいたから」

『合宿だったんだよね?お疲れ様』

「…なんで知ってんの?」

『昨日、卓くんが言ってたから…』

「ふーん」




隣の席に目が合うと、距離が近くて思わずドキッとする。

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akimakixxx(プロフ) - kanadeさん» 私にも分かりません^^;笑 (2018年8月7日 21時) (レス) id: 85c669e5c3 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - これから歩夢君とヒロインちゃんがどうなっていくのか楽しみです。 (2018年8月7日 21時) (レス) id: df4e83e4db (このIDを非表示/違反報告)
akimakixxx(プロフ) - kanadeさん» ずっと思考回路0でした(>_<;) (2018年8月7日 0時) (レス) id: 85c669e5c3 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - 更新待ってました。 (2018年8月7日 0時) (レス) id: df4e83e4db (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - キュンキュンしながら読んでます。 (2018年8月1日 23時) (レス) id: c9d57448f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:am | 作成日時:2018年6月26日 1時

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