love at first sigh (ページ22)

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story21 ページ22

時は全てを癒すよ

多分、きっとね...

ーーー

一通り泣いた後、結愛ちゃんに秀人の車内に落ちていた口紅のことを話した。

あと、最近会うのが急激に減ったことも、秀人の家に呼ばれなくなったことも。

ずっと1人で抱え込んでいた不安を全て話した。

結愛ちゃんは、私のつたない話を最初から最後まで黙って聞いてくれた。

｢次、秀人くんに会うのはいつ？｣

『多分、明日会えると思うけど...』

｢じゃあ、明日秀人くんに聞きな。口紅のこと｣

それが出来ないから困ってるんだ。

｢浮気してるのかしてないのか、考えても埒あかないでしょ？
聞いた時の反応を見るのよ。男なんてすぐ顔に出すから｣

恋愛豊富な結愛ちゃんの言葉には、説得力がある。
確かにこのまま悩んでいるのは正直辛い。

｢心愛、私はお世辞とか言うの嫌いだから正直に言うけど、秀人くん怪しいと思う｣

そのストレートな言葉に、少なからず衝撃を受けた。

｢大丈夫。もし私の予想が当たってたら、ちゃんと慰めてあげるから｣

『...うん』

｢逃げてたって何も変わらないよ？
浮気してないならしてないでそれで言いワケだし｣

平野くんにも言われた。
逃げてたって何も解決しないって。

｢何よ？｣

『あ、ううん。ちょっと同じようなこと他の人にも言われたから思い出してたの』

｢それって、平野くん？｣

『...どうして知ってるの？』

結愛ちゃんの口から突然平野くんの名前が出てきて、私は驚きを隠せなかった。

｢うわっ、やっぱり当たった。平野くんどう言うつもりなんだろう？｣

『どう言うつもりって？』

｢実はさ、心愛に何があったのは気付いてたけど、本当は何も聞かないつもりでいたの。
言いたくないことを無理矢理言わせるの嫌だし｣

確かに、結愛ちゃんがこんな風に話を聞いてくることなんて今まで1度もなかった。

｢でも、今日の朝、平野くんが受付に来たの。心愛には言わないでって言われたけど...｣

『何？』

｢"横にいるだけでいい。心愛の傍にいて、笑わせてやって欲しい"って｣

平野くんが結愛ちゃんに？

｢心愛、まさか平野くんと何かあるワケじゃないよね？｣

『な、何言ってんの結愛ちゃん！何もあるワケないよ』

ただ、仕事帰りにふらっと立ち寄った渋谷の街でたまたま会って、一緒にご飯を食べただけ。
それ以外に、平野くんの間には、本当に何もない。

...何もない