love at first sigh

story2 ページ3

知らない方が良かった。

出会わなくても良かった。
なんて、ね。
...嘘だよ。

ーーー



｢心愛！こっちこっち！｣

『ごめん結愛ちゃん！遅くなっちゃった』




19時までには着きたかったのに、30分も遅れてしまった。
つい、今取り掛かってる仕事に夢中になってしまったんだ。





｢いいよ、どうせまた仕事に夢中になって遅れたんでしょ。そろそろ来ると思って先にビール頼んどいたよ｣




さすが親友。
私の行動パターンを知り尽くしてる。




｢とりあえず乾杯ね。心愛と私が一緒に働けることに乾杯｣

『あ、そのことなんだけどね。私受付なんて務まるのかな。もう今日から凄く不安で。結愛ちゃんが推薦してくれたのは嬉しいけど...』

｢何言ってんの？私推薦なんてしてないけど？｣

『...え？』

｢私も心愛と働けるのは嬉しいけど、なんで心愛なんだろうって思ってたのよね｣




じゃあ、どうして？




『他にもいっぱいいるのにね、受付候補のコなんて。総務の凄い美人の二個下のコも、異動願い出してたらしいよ』

｢そうなの？｣




どうしよう。
ますます不安になってきた。




『私なんてずっとパソコンとばっかり向き合ってきたから、受付なんて不安だよ。どうしよう、ホントに私でいいのかな？』

｢心愛なら大丈夫。あんたはね、自分の魅力を分かってないだけ。なんであんたが選ばれたのか詳しいこと私には分かんないけど、私はいい人選だと思うよ｣




自信家の結愛ちゃんがそう言ってくれるなら、なんとかなるような気がしてきたかも。




｢とりあえず！明日から厳しく教えるからシャキッとしなさいよ！｣




『...お手柔らかにお願いします』

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