story17 ページ18
お願い、私に
笑いかけたりしないで。
ーーー
『遅くまでやってるんだね』
「見た目汚いけど美味いんだよ。夜遅くなると大抵ここに来る」
「平野くんは自炊しないの?」
あ、でも平野くんなら作ってくれる女の人いっぱいいるか。
「自炊めんどくさい。心愛は?」
『私はなるべく残業の日も帰ってから作るようにしてるよ。一人暮らしだから節約しないとと思って...』
お給料貰ってもなんだかんだでやっぱ社会人はお金がかかる。
服やスキンケア用品、化粧品とそれに貯金もしなきゃいけない。
だから一人で食べる食事はなるべく節約。
「ふーん。じゃあ、今度俺にも作ってよ」
俺にも作れって言われても、作れるはずがない。
『平野くんなら作ってくれる女の人いっぱいいるんじゃないの?』
「...何それ」
『いや、いるんじゃないかなー?と思って』
「いない」
『でも、結愛ちゃんから聞いたよ?平野くんは女子からモテモテだって』
「モテるとかモテないとかってさ、そんなに重要なこと?
俺はさ、どっちかっつーと10人の女の人から愛されるより、一人の女の人から愛されたい派だから。
でもって、10人の男の人と付き合える女の人より、一人の男の人と10年付き合える女の人の方が魅力的だと思うけどね」
そう、真顔で話す平野くん。
平野くんは見た目は派手だけど心は純粋な人だ。
きっと平野くんの彼女になる人は幸せ者に違いない。
(はい。お待たせー!こっちはサバの味噌煮定食で、平野くんはいつものミックス定食ね)
そんなことを思ってる時、おばさんが美味しそうな定食を運んできてくれた。
一気に美味しそうな匂いが漂う。
『うわぁ、美味しそう』
(美味しそうじゃなくて、美味しいのよ、うちの定食は。じゃんじゃん食べて〜)
『はい!いただきます』
1口食べただけでも分かるくらい、その定食は本当に美味しくて、私はとにかくうるさいくらい『美味しい』を連発して食べてると、平野くんはそんな私を見て呆れているのか、少し笑いながら食べ進めていた。
あっという間に2人共食べ終わり、お会計は平野くんが私の分も払ってくれた。
『いいよ、平野くん。自分の分は自分で払うから』
「いいよ」
『でも...』
「俺が誘ったんだから素直に奢られて」
『じゃあ、ありがとう。ご馳走様でした』
「うん。笑」
ほらっ、またこうやって屈託のない笑顔を私に向けるから
ずるい。
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akimakixxx(プロフ) - kanadeさん» 私にも分かりません^^;笑 (2018年8月7日 21時) (レス) id: 85c669e5c3 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - これから歩夢君とヒロインちゃんがどうなっていくのか楽しみです。 (2018年8月7日 21時) (レス) id: df4e83e4db (このIDを非表示/違反報告)
akimakixxx(プロフ) - kanadeさん» ずっと思考回路0でした(>_<;) (2018年8月7日 0時) (レス) id: 85c669e5c3 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - 更新待ってました。 (2018年8月7日 0時) (レス) id: df4e83e4db (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - キュンキュンしながら読んでます。 (2018年8月1日 23時) (レス) id: c9d57448f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:am | 作成日時:2018年6月26日 1時