love at first sigh (ページ16)

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story15 ページ16

あなたに、
この心ごと愛されたい。

ーーー

秀人と久しぶりに会った日から、数日が経った。

結局あの日、彼に確かな不信感を抱いたのに、身体を重ねてしまった。

心の中では疑ってるくせに、身体は彼に抱かれたいと思ってしまう。
そんな矛盾だらけの自分が凄く嫌い。

結愛ちゃんに相談でもしようかと思ったけど出来なかった。
一度口にしたら、その事ばかり考えてしまうから。

何も考えたくなくて、あの日からひたすらに受付の研修に没頭した。

｢心愛！ごめん、私先に帰るね。｣

『うん、お疲れ～』

結愛ちゃんは、今日専務とデート。
定時時間の17時ピッタリに、待ってました！と言わんばかりに慌てて更衣室へと小走りで立ち去ってしまった。

嬉しそうな顔を零す結愛ちゃんと反比例するかのように無表情な私。

家に帰りたくない...
だからって残業する程の仕事もない。

いつもの様に更衣室に行って、私服に着替えて、会社を出る。

目的もなくブラブラと歩く。
久しぶりに来た渋谷は少しだけ、秀人と初めて来た時と違って見える。
人混みの中、肩を抱いて庇ってくれた秀人の腕の感触がまだ覚えてる。

まだ、別れた訳じゃないけど、少しだけ秀人との終わりを感じてる。

なんだかな...
ふとした時、独りと感じてしまう。

カバンの中から小刻みに振動するモノを見れば、

歩夢空見てみ?

って平野くんからのLINEが届く。

平野くんの言葉通り、足を止めて空を見上げると、空いっぱいに星が広がってた。

歩夢下向いてたらさ

歩夢一番星を見つける事も出来ないよ。

歩夢ちなみに今日はストロベリームーンだって。

心愛平野くんって意外と

心愛ロマンティックなんだね^^*笑

｢別にそんなんじゃないから｣

『うわっ、ビックリした！？何？』

平野くんとLINEのやりとりをしてる最中にいきなりの本人登場でビックリする。

『なんでここにいるの？』

｢ずっといた｣

『ずっと？』

｢...会社、出た時から｣

『ま、まさかストーカー！？』

｢は？な、訳ないじゃん。
さっきまで友基と遊んでて、偶然心愛を見つけたの｣

『友基？』

｢仕事仲間｣

『そうなんだ。...偶然ねぇ、笑』

｢るさい。腹減った。飯付き合って｣

そう言ってスタスタと私の前を歩き出した平野くん。