love at first sigh (ページ12)

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story11 ページ12

悩むな女の子!

ーーー

人それぞれ、か。
確かにそうだと思う。
毎日でも会いたい人もいれば、1人の時間も欲しい人もいる。

私はどちらかと言えば前者の方。
会えるなら会いたい。
好きな人には、毎日でも。

秀人くんも付き合い始めの時は、私と同じだったはずなのに。

卓｢もしかして、浮気してたりして。心愛ちゃんの彼氏｣

卓くんが発した突然のその一言に、思わず持っていたお箸を落としてしまった。

慌ててお箸を拾おうとすると、平野くんが先に拾ってくれていて、新しいお箸を差し出してくれた。

『あ、ごめん。ありがとう』

お箸を受け取る手が、少し震えてしまった。
どうか、この震えが平野くんに伝わっていません様に...

卓｢あ、ちゃうちゃう。冗談！｣

歩夢｢卓。...最低｣

卓｢ホンマにごめん。そんな本気にするとは思わへんかったから｣

誰が見ても分かるくらい、しゅんと落ち込む卓くん。
そんなしゅんとされたら、怒れないよ。

『もう、そんな冗談止めてね』

卓｢分かった、もう言わへん！
あ、でも心愛ちゃんに1つアドバイスしてあげる。
もしもの話やけど。もしも彼氏が浮気してるかもと思った時は、自分のピアスを彼氏の車か寝室で見せたらえぇよ。これ誰のピアス？って｣

ホントにさっきの冗談、悪いと思ってるのかな？
この人...

卓｢その時の反応ですぐに分かるから。目が泳いで嘘くさい言い訳をしたらアウトやね｣

...そんな事、聞きたくない

歩夢｢卓、そろそろ行こう｣

卓｢じゃあ、ね。心愛ちゃん、今度試してみて｣

そんなこと絶対に試さない。
だって、傷付くのを自分から防ぐの得意になってきてる。

やっと2人がいなくなり、最後のお肉に口をつけた時、平野くんだけが戻ってきた。どうしたんだろう？

平野くんはスキニーのポケットに入ってるiphoneを取り出し、LINE交換しようと、友達追加からふるふるを選択し、私はそれに従った。

歩夢｢何かあったらLINEして｣

え？

『え？あの、』

歩夢｢じゃあ、心愛｣

今、心愛って言った？

颯爽と立ち去って行く背中をただ唖然と見つめることしか出来なかった。

ってか、そもそも何かあったらって何のこと？

この時は、平野くんの言葉の意思なんて何も分からず、平野くんのIDが入ったiphoneを制服のポケットに入れた。

気付かないうちに作ろうとしてる、心の壁。

彼に会ったあの日から...