遠い空 2 (ページ35)

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彼は私に、
勇気を与えてくれる人。

ーーー

『明日、東京行く日やったっけ?』

｢うん。｣

明日から3日間、
遥輝は遠征先である東京ドームで試合がある。

｢ついでにお前も一度、戻れ。｣

『え?』

｢このままって訳にはいかへんやろ?｣

『…うん。分かった。

ってか、遥輝そんなにくっつかれると暑い。』

お風呂から上がってまったりしてる中、
遥輝はずっと私の身体の一部や、身体ごと、
ベタベタとくっついて離れてくれない。

｢クーラーついてるやん。｣

『そう言う問題じゃなくて…』

｢Aチューしよ?｣

『それで済まへん様な気がするから嫌。』

｢ただのチューやし!…多分。｣

『多分?』

｢それは俺の体に聞いて。笑｣

結局、遥輝の体に聞くまでもなく、
キスだけでは済まなくなった。

『なぁ?ド変態さん?

明日、卓さんももちろん来るやんなぁ?』

｢…お前さ?

前から思ってたけど、卓さんと何かあるん?｣

(center:『何もないよ、ただ聞いただけ。』

｢ふーん。｣

『私が好きなんは遥輝だけやで?

抱かれたいって思ってんのも遥輝だけ。笑』

ヤバイ。

今、俺の顔、絶対赤い。

こんな告白を聞いて、
顔が緩まないはずがない。

『遥輝?』

俺が何も言わへんからか、
Aが不安そうな表情で俺の顔を覗き込んでくる。

｢ちょっと、今見んな、頼むし。」

いつもAが照れて、赤くなる顔を見て、
からかっている俺が、こんな顔見せれるわけない。

『遥輝、照れてんの?可愛い。笑』

悪気のないAは、
俺の赤い顔を見て嬉しそうに微笑んでくる。
何かちょっと、悔しいんやけど。

｢言っとくけど、

俺の方が何倍もお前のこと好きやから!

早く追いつけよ、俺の気持ちに。

お前がいいひんと生きてる意味なんてないって、

俺はずっと、ガキの頃から思ってたし。」

そう言い返すと、

みるみると赤く染まっていくAの顔。

…形勢逆転。

やっぱりこの関係が、俺にはしっくりくる。