遠い空 2 (ページ21)

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哀れなDOLL。(人形

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全てを敵にしてでも、
遥輝がいれば良かった。

いつからか気高く"大丈夫"って言ってた口癖が、
いつしか言えなくなってしまった…

｢いきなり呼び出したりしてどうした?｣

『…ジョー。』

｢ど、どうした!?何があった?｣

ジョーを見た瞬間、抑えきれなかった涙が溢れた。

『…遥輝にフラれた。』

｢え、遥輝が言ったのか?｣

『今の俺じゃお前を幸せにできひん…

俺のことは早く見切った方がえぇ。って、

バイバイって、幸せになれよって、って言われた。』

私の帰る胸はもうない。

｢これからどうするんだ?｣

『分からん…

私、遥輝がいいひんと生きていけへん…

遥輝がいると歌が自然と生まれる。

私にとって遥輝と歌は同じもの。

どっちかが欠けても私、無理なん、…ジョー。

遥輝と出会う前に描いた歌も、

遥輝と一緒にいた時に描いた歌も、

遥輝と離れいてた間に描いた歌も、

もう今は全部、歌えへん…』

｢…じゃあ、お前は何故ここにいるんだ?

そんなことで歌えなくなるなんて、

お前は歌手失格だな。｣

『…そうかもしれない。』

｢とりあえず今は休め。

また歌いたくなったら連絡してこい。｣

『.......』

｢A…

俺が初めて見て、衝撃受けた人間は(モノ
一体、誰だったんだろうな?｣

ジョー、

それは言葉を失った哀れなDOLL(人形)よ。