遠い空 2 (ページ16)

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夢や、愛は、
おいくらですか?

ーーー

足元を救われた気がした。
こんな感情前にもあった。

ある日突然、
ただの幼馴染みだった遥輝が、
手の届かない世界の人になった時、
一人取り残された気がした。

私が遥輝しか見てない時、
遥輝はいつも私に見えない大きな未来(ゆめ)を見てた。

それに、負けじと私も大きな夢を掴んだ。

なのに、今の私の"夢"は…
"遥輝の傍にいたい"って夢に変わってしまった。

楽しかった宴はお開きになり、
今、私の前で遥輝や大の大人達が、
お会計は誰が支払うかになってる。笑

すると、5万円をレジに置いて、
卓さんは店を出て、店の前で皆を待ってる。
そして私も店を出た。

『卓さん。
今日はご馳走様でした。』

｢ええけん。笑

年上の俺が払うのが当然やけん。

けど、あいつら何ですぐに出てこんの?笑｣

『今、そのお釣りを分け合ってます。笑』

｢ったく。｣

『卓さん、今日は私の本音?笑を、
聞いてくださってありがとうございます。』

｢Aちゃん?

怒るかもしれんけど、遥輝ん気持ち、

俺も少し分かる気がする。

結婚は、一人の人間の人生ば、

背負うってこと。

そん人が、生きてきた道、背景、

これからのもの、全て受け入れないけん…

相手がAちゃんなら尚更やと思う。｣

『…男の人は強いですね。』

｢女ん人が方が強かばい。笑

俺、Aちゃんみたいに、

いつでも人を素直に見れる奴が、

本当は1番強か人間な気がする。

自分の将来は、今の延長線やなかけんね。笑｣

と小さく笑った卓さん。
卓さんもそう思える人がいるんだろうか？
そんな風に聞こえた…

出来るならずっと遥輝の声を聞いていたい。
私も、"約束"なんて、出来るはずない。
自分の気持ちも、これからのこと(未来)すら分からんのに…

｢あいつは器用に見えて不器用な奴や。

やけんこそ、何事にも一生懸命で、

Aちゃんのことも、本気で惚れ込んどー。

Aちゃんのこと話すあいつん姿ば、

見せてやりたか程、嬉しそうな顔しとーばい。

俺がもし女やったら、ずっと信じてゆくと思うばい。｣

『…卓さん。
いつも甘えてばっかりでごめんなさい。』

｢えーけん。笑｣

ただ、好きとか、愛してるとか、
とも、少し違う。

…大切な人。

とても大切な存在(ひと)。